研究課題
定位放射線治療を含む先進的放射線治療を標準治療として確立するためには、多施設共同臨床試験による科学的な評価が必須である。初発孤立性肝細胞癌に対する定位放射線治療は手術、RFAに比肩しうる高い有効性が強く示唆されているものの多施設共同臨床試験による評価がなく標準治療にはなっていない。本研究は定位放射線治療が標準治療となりうるか多施設共同臨床試験により初めて検証することを目的とする。本研究により定位放射線治療の有効性が検証されれば、侵襲の高い治療が困難である多数の高齢がん患者に多大な恩恵となる。本研究のPrimary endpointは3年生存割合、症例登録期間3年、追跡期間は登録終了後3年、総研究期間6年のデザインであった。2018年度も参加施設を集めた会議を開催し、登録症例のモニタリング、増悪と局所制御に関する中央判定、放射線治療品質保証として登録症例の治療計画の確認、等を行った。また、欧米の臨床試験グループ会議および国際学会に参加し、肝癌に対する定位放射線治療および放射線治療の品質保証に関する最新の情報収集を行った。本研究では、症例登録速度が十分ではなかったために施設内で一層の周知および学会発表により定位放射線治療の認知度向上に努めるとともに、さらに参加施設の追加、登録期間の延長を行ったもののその後も症例登録ペースが遅かったため、2018年で登録を終了した。2019年の米国放射線腫瘍学会で本研究の短期成績を報告し、その後経過観察期間を延ばし長期成績を報告することとした。
すべて 2019
すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)