研究課題
適応放射線治療(ART)の介入時期を示す指標を明らかにするため、撮影範囲を上下30㎝程度の評価が出来るMulti scan CBCT機能を用いた前向き臨床試験を行った。本研究は2017年11月29日に倫理委員会で承認された。症例登録は予定よりやや遅れ、2019年3月末時点で14例登録されている。全30例の予定であり、2019年度内での登録完了を予定している。ARTを実施するには再治療計画が必須であり、かなりの時間と熟練が必要となる。人工知能を利用したknowledge-based planning (KBP)は、これらの問題の解決策の一つである。前立腺癌に対して、一度の最適化で作成されたKBPの治療計画と実際に照射された治療計画(clinical plan: CP)との比較検証を行った。治療計画と実測の線量分布の誤差の指標の一つであるγ解析のパス率(3%/3mm)では、CPが99.0%、KBPが99.1%と同等であった。前立腺癌に対するIMRTでは、KBPは一度の最適化で、質が高く、物理的に照射可能な治療計画を提供できることが明らかになった。本研究は、Radiation Oncology 2018, 13:163に発表された。より治療計画が複雑な頭頸部癌に対するKBPについても検討した。既治療の頭頸部癌55例の治療計画データをモデルベース化し、CP15例と、同一症例にKBPで作成された治療計画を比較検討した。その結果、無調整のKBPでは、脳幹や脊髄の最大線量が高くなり、臨床使用には耐えないが、一定の線量制約を手入力してKBPで作成した87% (13/15)のプランは、実臨床で用いられた治療計画と同等あるいは優れていた。この成果は2018年に国際学会で発表し、2019年度中の論文化を目指している。
3: やや遅れている
適応放射線治療(ART)の介入時期を示す指標を明らかにするための前向き臨床試験の症例登録が予定よりやや遅れ2018年度内に完了できず、2019年度も研究を継続することとなった。一方、人工知能を利用したknowledge-based planning (KBP)の適応放射線治療(ART)への検討は予定通りに進んだ。
研究期間を1年間延長し、適応放射線治療(ART)の介入時期を示す指標を明らかにするための前向き臨床試験の症例登録を急ぐ。2019年度の早い時点で完了させるようにする。頭頸部癌に対する人工知能を利用したknowledge-based planning (KBP)の検討結果を論文化する。
適応放射線治療(ART)の介入時期を示す指標を明らかにするための前向き臨床試験の症例登録が予定よりやや遅れ2018年度内に完了できず、2019年度も研究を継続することとなった。残余予算は、学会発表参加費、旅費および投稿料などに使用する予定である。
すべて 2018 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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