研究課題/領域番号 |
16K10406
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西村 恭昌 近畿大学, 医学部, 教授 (00218207)
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研究分担者 |
石川 一樹 近畿大学, 医学部, 講師 (10511016)
門前 一 近畿大学, 医学部, 准教授 (10611593)
建部 仁志 近畿大学, 大学病院, 助教 (40642898) [辞退]
稲田 正浩 近畿大学, 大学病院, 助教 (40738415)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 適応放射線治療 / 頭頸部癌 / 治療計画 / 人工知能 |
研究実績の概要 |
適応放射線治療(ART)の介入時期を示す指標を明らかにするため、治療室内CBCTを用いた前向き臨床試験を行った。2019年度で予定30例を登録した。うち4例のデータが不完全で、26例を解析対象とした。頭頸部癌に対する化学放射線療法では治療期間中に著明な体重減少および耳下腺の体積低下が見られた。計画標的体積(PTV)も軽度の体積減少をみとめたが、線量は十分に処方されていた。リスク臓器の線量増加は2週目から約1割程度で有意な変化となっていた。頭頸部癌の照射中の体積・線量変化は症例ごとに異なるため、症例に合わせた再治療計画が必要であることが明らかになった。 再治療計画には、時間と熟練が必要となる。人工知能を利用したknowledge-based planning (KBP)は、これらの問題の解決策の一つである。前立腺癌に対して、KBPの治療計画と実際に照射された治療計画(clinical plan: CP)との比較検証を行った。治療計画と実測の線量分布の誤差の指標の一つであるγ解析のパス率(3%/3mm)では、CPが99.0%、KBPが99.1%と同等であった。前立腺癌に対するIMRTでは、KBPは一度の最適化で、質が高く物理的に照射可能な治療計画を提供できることが明らかになった。本研究は、Radiation Oncology 2018, 13:163に発表された。 治療計画が複雑な頭頸部癌に対するKBPについても検討した。既治療の頭頸部癌55例の治療計画データをモデルベース化し、CP15例と、同一症例にKBPで作成された治療計画を比較検討した。その結果、無調整のKBPでは、臨床使用には耐えないが、一定の線量制約を手入力してKBPで作成した87% (13/15)のプランは、実臨床で用いられた治療計画と同等あるいは優れていた。この成果はJ Radiat Resに受理された。
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