研究課題
非小細胞肺癌症例における免疫チェックポイント阻害剤が2017年現在、手術・抗がん剤・放射線治療に続く新たな治療手段として標準治療として位置付けられるようになった。しかし、効果予測因子は明らかとなっておらず、医療経済的にも免疫チェックポイント阻害剤の効果予測因子を解明することは重要な課題であると認識されている。本研究は、放射線治療が腫瘍細胞に及ぼす影響をPDL1経路に関して検討することを目的としている。術前に放射線化学療法を施行された症例の治療前検体と手術検体を比較することで、腫瘍細胞にDNA損傷ストレスが生じた場合に、PDL1の発現が変化するかについてヒト検体を持ちて検証するものである。初年度は、ペア検体のPDL1の発現を免疫染色にて評価し、放射線化学療法により腫瘍細胞におけるPDL1の発現が低下することを確認し、Anti Cancer Research誌に上梓した。同時にRNA seqを開始し、解析を並行して行った。次年度では、RNA seqの解析は免疫チェックポイント阻害剤が著効した症例と効果を認めなかった症例で施行し、発現パターンの相違を検証した。その結果、いくつかの候補遺伝子が特定されたが、放射線照射前後での解析では有意な変化を認めなかった。最終年度では、当初の17症例を対象としシーケンスを施行し、解析を施行したが、十分なdepthを持って解析が可能であったのは、5症例であった。免疫チェックポイント阻害剤の奏効症例におけるRNA seqの結果も併せて解析を行った。
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