腎移植術後の拒絶反応でのT細胞の糖鎖変化を解析する目的であったが、期間中に拒絶を示す症例はなかった。そこで、移植前後、リツキサン投与前後および術後1年でのT細胞の糖鎖変化を調べた。合計7例(血液適合・一致移植3例、血液不適合移植4例)で調べた。移植前後での糖鎖変化は血液適合・一致移植および血液不適合移植で有意差はなかった。一方で、術後1年で血液適合・一致移植および血液不適合移植ともに、様々な糖鎖が変化が起きた。血液不適合移植では、リツキサン投与でManα1-3ManまたはManα1-6Manの発現が有意に増加することが明らかとなった。そして、この変化が術後長期に保持されることも明らかとなった。
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