研究課題/領域番号 |
16K10434
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山田 和歌 鹿児島大学, 附属病院, 特任助教 (20457659)
|
研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
川野 孝文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (40457651)
加治 建 鹿児島大学, 附属病院, 特任教授 (50315420)
中目 和彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70448570)
向井 基 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80468024)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (80528042)
大西 峻 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (10614638)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | グレリン / 消化管 / 経静脈栄養 / 短腸症候群 |
研究実績の概要 |
消化管ホルモンであるグレリンは、ほぼ全ての臓器に分布する成長ホルモン放出促進因子受容体(GHS-R,Growth Hormone Secretagogues Receptor)のリガンドとして発見され、組織修復・成長に関する様々な生理作用を発揮する。グレリンの腸管粘膜への作用としては、in vitroで腸上皮細胞の増殖を促進するとの報告があるが、その機序はいまだ解明されていない。本研究では、昨年度経静脈栄養管理をヒトの6ヶ月に相当する7日間の絶食・経静脈栄養ラットモデルの作成に成功し、グレリンの小腸粘膜への作用の検討を行ったところ、グレリンの小腸粘膜萎縮予防効果が示唆される結果であった。具体的には7日間の絶食・経静脈栄養管理ラットでは、合併症である空腸回腸の絨毛や陰窩の萎縮、つまり小腸粘膜の萎縮がみられた。これに対しグレリン投与群では空腸絨毛高及び陰窩深の萎縮がグレリン非投与群に比べ軽度であった。 本年は、昨年度の経静脈栄養期間7日間をヒトの1年に相当する14日間に延ばし実験を行った。7日間同様グレリンの小腸粘膜萎縮予防の効果が示唆された。この結果を受け、大量小腸切除を行った短腸・経静脈栄養ラットを作成し、グレリンの残存腸管への作用、つまり腸管順応について検討した。具体的には、80%大量小腸切除を行い術後14日間の経静脈栄養管理を行うラットモデルを作成した。本年はラットモデル作成、管理ができるようになったので、今後はこのラットモデルにグレリンを投与し、グレリンが残存小腸の腸管順応に効果的な作用を示せば補充療法について至適量、至適時期を検討し新たな術後管理法を開発する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに経静脈栄養ラットモデルの小腸粘膜萎縮に対するグレリンの予防効果を明らかにすることができた。また現在、80%短腸ラットモデル作成の手技が確立し、術後14日間の絶食・経静脈栄養管理も可能となった。今後はこのラットモデルにグレリンを投与し、残存小腸の腸管順応にグレリンがどのように作用するか、その効果が検証できると思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は80%短腸ラットモデルに術後14日間経静脈栄養管理を行い、グレリンを投与し、グレリンの腸管順応への作用を検討する。グレリンの腸管順応への効果が明らかになれば、その至適投与時期、至適投与量の検討を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
消耗品を予定よりも安価に購入することが出来た。 実験用試薬購入に充てることとする。
|