研究課題/領域番号 |
16K10450
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
矢島 俊樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20346852)
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研究分担者 |
茂木 晃 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10323362)
久保 憲生 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10464744)
堤 荘一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30323356)
東 陽子 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (30770002)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 実験外科学 / 免疫学 |
研究実績の概要 |
本研究は、マウス腫瘍モデルを用いて腫瘍抗原特異的メモリーCD8T細胞の産生・維持の分子機構を解析し、癌再発を制御する新規癌免疫アジュバント療法の開発をめざすことを目的として行う。 正常マウス(C57BL/6マウス)に卵白アルブミン産生胸腺腫のEG.7を皮下接種して、接種後10日目の腫瘍結節を切除し、以後経時的に所属リンパ節または脾臓における抗原特異的CD8T細胞の動態を検討した。抗原特異的CD8T細胞は、OVA257-264テトラマーを用いてフローサイトメトリーで解析した。腫瘍接種後、10日目に各リンパ組織において抗原特異的CD8T細胞が誘導されてくることを確認した。 続いて抗原特異的CD8T細胞の動態を確認するため、腫瘍切除後に継時的に抗原特異的CD8T細胞の変化を検討した。切除後7日目には切除時より各リンパ組織の抗原特異的CD8T細胞数が減少していた。さらに14日目、21日目で検討するとその数はさらに減少していたが検出は可能であった。 その細胞の機能を検討するために、OVA257-264ペプチド刺激後のIFN-γ産生能またはグランザイムB発現を細胞内染色で検討するとIFN-γ産生で同程度の抗原特異的なIFN-γ産生が検出できたが、グランザイムは評価困難であった。抗原特異的CD8T細胞のin vivoでの細胞傷害活性を調べるためペプチドパルスしたコンジェニックマウスの脾臓細胞を標的細胞とし、担癌マウスに経静脈的に移入後in vivo 細胞傷害活性を調べた。腫瘍接種後の細胞障害活性を継時的に調べるとin vivo細胞障害活性で評価できた。 卵白アルブミンのモデル抗原を用いたマウス腫瘍切除モデルで抗原特異的CD8T細胞の動態を確認できた。さらにその機能についても評価できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度でメラノーマ腫瘍株を用いたTRP-2腫瘍抗原での検討を終える予定であったが、TRP-2特異的CD8T細胞の検出が十分できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、卵白アルブミンのモデル抗原だけでなく実際の腫瘍抗原で評価するため、同様の実験をマウスメラノーマ細胞株のB16F10とTRP180-188 H-2Kbテトラマーを用いて行う予定である。 また、腫瘍により誘導される抗原特異的CD8T細胞の数は非常に少ないため詳細な解析が困難なことが予想される。そこで抗原特異的CD8T細胞の数を増やすためにOVA257-264特異的T細胞レセプターTgマウスであるOT-IマウスのナイーブCD8T細胞を単離し正常マウスに移入後、EG.7またはB16-OVAを皮下接種し上記の検討を移入したOT-I細胞について行う予定としている。これまでの予備実験でOT-1細胞を移入することにより、3~10倍多くのメモリー細胞誘導が可能なことを確認している。
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