研究分担者 |
茂木 晃 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10323362)
久保 憲生 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10464744)
堤 荘一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30323356) [辞退]
高坂 貴行 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00507329) [辞退]
伊部 崇史 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80826264)
東 陽子 東邦大学, 医学部, 助教 (30770002) [辞退]
宮崎 達也 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70372349) [辞退]
清水 公裕 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90375535)
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研究実績の概要 |
OT-Iマウスの脾臓からCD8T細胞をAutoMACSにて単離し、CFSEで蛍光標識してから、正常マウスに経静脈的に移入後、EG.7を皮下接種しOT-I細胞の動態を検討した。腫瘍接種後7日目以前ではOT-I細胞は腫瘍局所で検出されず、脾臓およびリンパ節で検出されたがその細胞分裂は起きておらず、腫瘍結節形成初期には抗原特異的CD8T細胞は腫瘍局所に浸潤せずリンパ組織でもクローン増殖が起きていないことがわかった。腫瘍が増大するにつれ14日目、21日目とOT-I細胞の分裂が起こり、局所、脾臓、リンパ節でその数が増えてきているが、腫瘍は増大し制御できていなかった。腫瘍接種10日目で腫瘍結節を切除し、さらに切除後14日目でリンパ節および脾臓におけるOT-I細胞の数を検討すると切除時よりその数は減少していたが検出でき、それ以後の解析が可能と判断した。腫瘍切除前に、この誘導されたOT-I細胞の特徴を解析するため、免疫チェックポイント分子の発現を検討した。PD-1,TIM-3,LAG-3,TIGITの発現を経時的に解析すると、14日目でOT-I細胞のすべてがPD-1を発現し、TIGIT,TIM-3も高発現であった。この細胞のIFN-γ産生能はペプチド刺激で誘導さるが低く疲弊化していると考えられた。これらの疲弊化CD8T細胞の動態を経時的に検討すると、以後減少しアポトーシスに陥いり、そのアポトーシスにはFas-FasL経路が重要であることを明らかしその成果を論文(Molecular immunology 2019)に報告した。次に、腫瘍切除後の抗原特異的CD8T細胞の動態を解析すると、抗原特異的CD8T細胞のPD-1の発現が低下していた。サイトカイン産生能も低いままで通常のメモリー細胞と異なる状態となっている可能性があり、切除前と後で疲弊化の状態が異なっている可能性があきらとなった。
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