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2016 年度 実施状況報告書

癌幹細胞に対する新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 16K10454
研究機関名古屋大学

研究代表者

角田 伸行  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (40542684)

研究分担者 梛野 正人  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20237564)
横山 幸浩  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378091)
國料 俊男  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60378023)
山口 淳平  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00566987)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード融合遺伝子 / 癌幹細胞
研究実績の概要

癌幹細胞は分化能と自己複製能を有する細胞である。癌幹細胞を標的にした治療法はいまだ実用化されてない。また融合遺伝子は重要な発癌原因の1つであり、正常組織には存在せず、癌組織にのみ存在しており分子標的治療の標的因子として有用である。
癌幹細胞の分離と融合遺伝子の探索:胆管癌細胞株HuCCT1 7.25×106個の細胞に対してFITCで標識したc-Met抗体を4℃で10min反応させた後に、抗FITC磁気ビーズを接着させポジティブセレクション用LSカラム(μMACSアイソレーションキット)を用いてc-Met陽性細胞の分離を行った。しかし分離ができずc-Met抗体陽性細胞の数が不十分であった。そのため弱く標識された細胞を効率よく分離するために、不要細胞のディプリーションが可能なLDカラムによる前処理を行った後、ポジティブセレクション用LSカラムにて分離を行った。その結果、7.9×105のc-Met陽性細胞の回収が可能であった。カラムにより分離したc-Met陽性細胞と陰性細胞のc-Metの発現をウェスタンブロティングにて検討した。c-Met陰性細胞と比較してc-Met陽性細胞においてc-Metの発現の亢進を認めた。c-Met陽性細胞とc-Met陰性細胞に関してMTTによる増殖能の検討を行った。c-Met陽性細胞において増殖能が亢進していた。
c-Met陽性細胞からCD49f陽性細胞の分離を行った。細胞の分離は可能であったがviabilityが低下していた。
大腸癌細胞株DLD1よりCD133陽性細胞の分離をLSカラムにて行った。CD133陽性細胞とCD133陰性細胞に関してMTTによる増殖能の検討を行った。CD133陽性細胞において増殖能が亢進していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

癌細胞株からc-Met陽性細胞および陰性細胞に分離し、増殖能の差について明らかにした。また複数種類の癌幹細胞のマーカーでの分離が可能だがviabilityが低下しており、融合遺伝子の発現解析ができなかったため、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

癌幹細胞の分離と融合遺伝子の探索:乳癌組織からCD44陽性、CD24陰性、lineage marker陰性である癌幹細胞、胆管癌組織からCD45陰性、TER陰性、CD49f陽性、CD29陽性、c-kit陰性、c-Met陽性である癌幹細胞、大腸癌組織からCD133陽性である癌幹細胞をμMACSアイソレーションキットにより回収する。回収した癌幹細胞の次世代シークエンサーによる融合遺伝子の探索を行ない、融合遺伝子を同定する。同定した融合遺伝子の融合部の5’側と3’側のプライマーを設計する。乳腺、胆管、大腸の正常組織と乳癌、胆管癌、大腸癌の各組織での融合遺伝子の発現をRT-PCRにて比較検討する。
融合遺伝子を標的にしたsiRNAの開発:融合遺伝子の融合部を標的にしたsiRNAを作成する。作成したsiRNAを乳癌、胆管癌、大腸癌の各細胞株に導入し遺伝子発現の抑制効果についてRT-PCR法にて検討する。
癌細胞株を用いた融合遺伝子の機能解析:融合遺伝子を標的にしたsiRNAを乳癌、胆管癌、大腸癌の各細胞株に導入し、増殖能(MTTアッセイ法)、浸潤能(インベーションアッセイ法)、アポトーシス誘導能(TUNEL法)、運動能(スクラッチアッセイ法)を検討する。

次年度使用額が生じた理由

複数種類の癌幹細胞のマーカーでの細胞分離が可能であったが、viabilityが低下しており、融合遺伝子の発現解析ができなかった。そのために使用予定であった研究費が残ったため。

次年度使用額の使用計画

乳癌組織からCD44陽性、CD24陰性、lineage marker陰性である癌幹細胞、胆管癌組織からCD45陰性、TER陰性、CD49f陽性、CD29陽性、c-kit陰性、c-Met陽性である癌幹細胞、大腸癌組織からCD133陽性である癌幹細胞をμMACSアイソレーションキットにより回収する。回収した癌幹細胞の次世代シークエンサーによる融合遺伝子の探索を行ない、融合遺伝子を同定する。同定した融合遺伝子の融合部の5’側と3’側のプライマーを設計する。乳腺、胆管、大腸の正常組織と乳癌、胆管癌、大腸癌の各組織での融合遺伝子の発現をRT-PCRにて比較検討する。
融合遺伝子を標的にしたsiRNAの開発し遺伝子発現の抑制効果についてRT-PCR法にて検討する。また癌細胞株を用いた融合遺伝子の機能解析を行う。

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公開日: 2018-01-16  

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