研究課題/領域番号 |
16K10464
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中嶋 健太郎 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10625255)
|
研究分担者 |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 講師 (00404369)
平塚 孝宏 大分大学, 医学部, 助教 (20600886)
泥谷 直樹 大分大学, 医学部, 准教授 (80305036)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 大腸癌 / 長期成績 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究では3年間の研究期間に以下のことを明らかにすることを目的としている。 1. ヒト常在腸内細菌叢の人種差を明らかにすること。 2. ヒト常在腸内細菌叢と食生活の関連を明らかにすること。 3. 大腸癌組織の遺伝子ステータスの国際比較、臨床病理学的因子、予後データとの関連を検討する。 4. 大腸癌患者に特有の腸内細菌叢構成を明らかにする。 5. 大腸癌術後患者の再発リスクとなる腸内細菌叢構成を明らかにする。 平成29年度の進捗であるが、異なった国同士での大腸癌治療成績比較に関しては、National Databaseを基にした検討が進んでいる。まずは日米間で、大腸癌の疫学、発生、治療内容、治療成績について二国間の差を明らかにし論文投稿中である。また手術中のリンパ節摘除数に応じた成績比較に関しての検討も行い論文投稿中である。今後、新たに、サウジアラビア、韓国、中国、フランスを加え比較検討をすすめる予定である。並行して、進行中の上記各国の大腸癌治療専門施設同士の大腸癌治療内容・成績を比較するprospective研究が2018年5月にキックオフ予定である。 腸内細菌叢研究に関しては、現在、大腸癌患者、および比較対照として良性疾患患者の周術期、術後の腸内細菌叢を、16S rRNA解析で評価している。採便は、肛門からスワブを挿入し直腸粘膜を擦過する方法で行っているが、非常に簡便で、解析に十分なDNAをほぼ確実に採取できるため、腸内細菌叢の国際比較においても、有力な採便法と判断できる。今後、大腸癌患者のサンプルを蓄積し、大腸癌患者および術後再発患者に特有の腸内細菌叢を評価していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・治療成績国際比較のための臨床試験は順調に進んでいる。 ・細菌叢研究のための実験も順調に進み、サンプルを蓄積中である。 ・各国同士のコミュニケーションは、会議を年に一度、web会議を月に一度のペースで開催し、良好である。
|
今後の研究の推進方策 |
・引き続き、大腸癌治療成績国際比較、および細菌叢解析をすすめていく。 ・当初、日米サウジの3カ国が参加予定であったが、韓国、フランスも参加予定であり、研究規模が大きくなっている。参加施設が増えることで、相互の治療成績の差とその原因が明確となるメリットがある。 ・年に一度、国際学会において会合の場を設け、コミュニケーションを図っている。
|