研究課題
本研究ではマウス甲状腺SP(Side Population)細胞の分化誘導メカニズムを解析し、そのメカニズムを甲状腺未分化癌に応用することを目的としている。平成28年度はマウス甲状腺SP細胞とマウス甲状腺MP(Main Population)細胞の遺伝子発現を検討し、甲状腺分化マーカーであるTshr、NIS、Tg、TPOだけでなく甲状腺分化に重要と報告されているNkx2-1、Pax8、Foxe1の遺伝子発現がMP細胞よりもSP細胞でmRNAの発現が低いことを明らかにした。さらに、GFPを発現させた甲状腺SP細胞株をNOD/SCIDマウスの甲状腺に直接注入しNKX2-1を発現したGFP陽性甲状腺SP細胞株が甲状腺濾胞上皮の一部を構成しており、甲状腺分化にNKX2-1の発現が重要であることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
マウス甲状腺SP細胞株にテトラサイクリン誘導型のNKX2-1発現細胞株を作製する。NKX2-1遺伝子発現の相違により甲状腺分化マーカーや他の転写因子の遺伝子発現を検討する。さらに、ヒト甲状腺癌細胞においてNkx2-1のmRNAやタンパク発現解析をおこなう。臨床検体の解析にも着手する。
次年度は細胞株を用いたメカニズム解明および動物実験の準備をおこなう。ヒト甲状腺癌組織を用いた免疫組織染色もおこなう。
次年度は動物実験の準備にある程度の金額が必要のため。
動物実験を行うことにより、甲状腺分化および甲状腺癌の分化の可能性について検討していく
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件)
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