研究課題/領域番号 |
16K10471
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大澤 英之 自治医科大学, 医学部, 講師 (60458271)
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研究分担者 |
西村 渉 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00334433)
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
佐田 尚宏 自治医科大学, 医学部, 教授 (20261977)
三木 厚 自治医科大学, 医学部, 講師 (20570378)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
藤井 博文 自治医科大学, 医学部, 教授 (80438613)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マイクロRNA / サイトカイン / 癌 |
研究実績の概要 |
近年、乳癌の薬物療法は分子標的薬も含めて進歩が著しいが、治療成績の改善には薬剤抵抗性の克服が必須である。現在までに我々は、乳癌術前化学療法前の針生検検体から腫瘍部分を選択的に採取してマイクロRNA発現を網羅的に解析し、術前化学療法の治療効果に関連するマイクロRNAを報告してきた。これまでの実験において、術前化学療法前の針生検検体の解析で抽出されたマイクロRNA-205(hsa-miR-205)が、IL-6の分泌と薬剤抵抗性に関連している可能性を見出した。対象マイクロRNAを安定的に発現する細胞株を作成し、マイクロRNAが炎症性サイトカインの制御と薬剤抵抗性に関わる機序を解明する計画である。対象マイクロRNAを安定的に発現する細胞株を作製し実験を試みたが、細胞増殖が不安定で評価が困難であった。新たにCRISPR-Cas9システムを利用して対象マイクロRNAのノックダウンを行い、細胞増殖、細胞遊走および浸潤、薬剤感受性に与える影響を解析する。また、マイクロRNAと炎症性サイトカインによる細胞間シグナル伝達に細胞から分泌されるエクソソームが関与する機序も解析対象としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、対象マイクロRNAの安定発現細胞株の作成に予想より時間を要したが、その他の実験についてはおおむね予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は、マイクロRNAと炎症性サイトカインが癌微小環境に与える影響を検討する。健常者の末梢血からCD4陽性ナイーブT細胞を分離してマイクロRNA発現細胞株と共培養する。共培養下での細胞の増殖および生存活性と細胞内のマイクロRNA発現プロファイルを調べる。T細胞は共培養後の表面抗原とサイトカイン産生能をフローサイトメトリーで解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の継続には細胞培養実験、遺伝子組換え実験、遺伝子発現解析実験が必要であり、これらの実験に関する費用が生じるため。
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次年度使用額の使用計画 |
実験の遂行に必要な実験試薬および消耗品費用に使用する計画である。細胞培養に関連した試薬・器具、遺伝子組換え実験用試薬、遺伝子発現解析用試薬などに用いる。また、国内や海外での学会発表を積極的に行うための旅費としても使用する。
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