がんは、ゲノム的にも形質的にも多様で、異なる性質を持つ不均一ながん細胞の集団およびそれらの微小環境で構成される複雑な組織である。ヒト由来の異なる2種類のトリプルネガティブ乳がん細胞株を混合して免疫不全マウスの乳腺組織に移植すると不均一ながん組織が形成され、1種類のヒトトリプルネガティブ乳がん細胞株を用いた時と比べて、より大きな腫瘍となることがわかった。RNA-seq解析を行い、この不均一ながん組織において、特徴的に発現する遺伝子群を見出した。見出した遺伝子群は腫瘍の増殖能に関与し、これらが乳がんの悪性度および治療抵抗性と関連する腫瘍内不均一性のバイオマーカーとなる可能性が考えられた。
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