研究実績の概要 |
申請者らの研究では、術中の栄養投与を基礎代謝量に近い量に設定することよって、食道癌手術患者の入院期間を半減する良傾向をみた(Satoh D et al,Nutrition2018)。次に、申請者の大腸癌手術時の研究では、手術中の栄養投与によって術中の低血糖を抑制するとともにケトン体産生減少などの脂質異化抑制効果があることが証明された。(基盤研究C 平成28~30年)。一方、アミノ酸投与により窒素バランスが正となった。尿中窒素量は非栄養投与群と変わらなかった。術中アミノ酸投与量を増やすことにより、術中蛋白異化も抑制できると考察した。また、今回の大腸癌手術時の研究でも栄養投与により入院期間の短縮(非投与群平均16日に対し、栄養投与群平均9日)と術後合併症(手術部位感染:非投与群3例に対し、栄養投与群1例)が少なかった。術中の栄養投与は組織の修復を早める可能性がある。全身麻酔中は申請者の研究は C goup:非栄養投与、B group:低濃度ブドウ糖+低濃度アミノ酸投与、A group:低濃度ブドウ糖+半日間必要アミノ酸投与でおこなった。この研究では術中アミノ酸投与量を増やすことで、入院期間を短くする(非投与群16日対栄養投与群9日)ことが示された。Siori Hirai M.D., Daizoh Satoh, M.D. Ph.D.,. Effects of intraoperative glucose and amino acid administration on amino acid metabolism during general anesthesia. 2019年アメリカ麻酔学会で発表した。アメリカ麻酔学会に3年連続(2017~2019年)で発表し、参加者から高い関心を集めた。
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