研究課題
意義と目的:分娩の際の付属物である羊膜は、一方で優れた再生医療材料として近年注目されている。しかし羊膜は感染症や拒絶反応等の問題を有しまた人工的な加工や3次元的使用もできない。そこで我々はH25-27年度科学研究費助成研究において、羊膜の優れた特性を持ち且つ加工性に優れより安全で機能的な再生医療材料を開発しその基礎的検討を行った。本研究はこれを更に発展させ、開発した羊膜模倣再生医療材を、角膜再生モデル等の実際の臨床にて応用する場合を想定した動物実験モデルにてその効果を検討する。方法:羊膜模倣再生医療材料(アルカリや酸処理したコラーゲンやゼラチンから成る薄膜やスポンジ材に羊膜幹細胞の培養上清液(conditioned medium:CM)を含浸)について、その配合やCMの採取時期等の各種条件について設定を行った上、角膜再生モデル(CM含有コラーゲンやゼラチン薄膜上で角膜細胞を培養)にて、その細胞増殖や効果や組織の再生効果等について評価検討を行った。結果:前年度のCMに対する評価の検討から、妊娠後期のラットから採取した羊膜幹細胞を培養したものから採取したCMを使用した。アルカリ処理および酸処理コラーゲンやゼラチンを100:0、75:25、50:50、25:75、0:100の割合で混合し混合シートを作成した。各混合シートにCMもしくは対象のD-MEM液を含浸し、その上でラット角膜から採取した培養角膜細胞の増殖性や組織形成度について調べた。結果、CM含浸シートはD-MEM含有シートに比べて総じて増殖性が良好であった。各CM含浸混合シートの中では、酸処理の比率が高いものほど増殖性に優れていることが分かった。またその組織的検討においても、角膜細胞の増殖性や重層化等の組織形成度は、D-MEM含有シートに比べてCM含浸シートにおいて、また酸処理の比率が高いものほど良好であることが分かった。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Asian J Surg
巻: 41 ページ: 59-64
10.1016/j.asjsur.2016.08.001.
Biomed Res Int
巻: 3808675 ページ: 1-6
10.1155/2018/3808675
J Biomed Mater Res B
巻: 106(2) ページ: 689-696
10.1002/jbm.b.33880.
巻: 41(2) ページ: 124-130
10.1016/j.asjsur.2016.09.007.
巻: 4515949 ページ: 1-8
10.1155/2018/4515949.
巻: 106(6) ページ: 2122-2130
10.1002/jbm.b.34017