研究課題/領域番号 |
16K10483
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
吉田 崇 関西医科大学, 医学部, 助教 (00714966)
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研究分担者 |
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
田中 進 関西医科大学, 医学部, 准教授 (30399472)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 副腎皮質 / 自家移植 / 再生 |
研究実績の概要 |
平成29年度計画 検討1)平成28年度以前にラット副腎皮質自家移植片の再生過程において、これまで副腎で確認されていない遺伝子の発現を同定した。平成29年度は、in situ hybridizationを用いて同遺伝子の移植片再生過程における経時的な発現、局在変化を確認した。その結果、同遺伝子の発現は、移植後1,2週目は明らかでないが、移植後3週目にはびまん性に副腎自家移植片に発現し、移植後4週目までに速やかに低下することを明らかにした。なお、コントロールである正常副腎では、同遺伝子の発現はごくわずかであった。このことから、同遺伝子がコードしているタンパクが移植片再生に何らかの関与をしていることが示唆された。 検討2)ラット血清を用いたEIAの結果から、血中コルチコステロンは移植後3-4週目にはコントロールと有意差がないレベルまで回復することを確認した。そこで、ラット副腎自家移植片において、Cyp11b1(コルチコステロン合成酵素をコードする)の発現変化を調べた。in situ hybridization法を用いて局在を、ターゲットとする核酸をダイレクトにカウントできるnCounter を用いて発現定量を実施した。その結果、移植後3週目では再生副腎皮質にびまん性にCyp11b1の発現を認めるのに対し、移植後4週目では正常副腎皮質と同様に静脈に向かって減弱するという極性を持った発現パターン呈することが分かった。一方、鉱質コルチコイドの合成酵素であるCyp11b2については、移植後1か月目までに発現を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要を元に、現在論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度までに得られた新たな知見をさらに広げ、副腎皮質再生メカニズムのさらなる解明をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新たに同定したシグナル経路と関連する遺伝子、タンパク変化に引き続きin situ hybridizationなどを用いて検索予定である。
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