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2018 年度 実績報告書

副腎皮質再生メカニズムの解明と自家移植への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K10483
研究機関関西医科大学

研究代表者

吉田 崇  関西医科大学, 医学部, 助教 (00714966)

研究分担者 松田 公志  関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
田中 進  関西医科大学, 医学部, 准教授 (30399472)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード副腎 / 自家移植 / 再生 / Dhh / Gli1
研究実績の概要

両側副腎腫瘍に対する両側副腎摘除術後は生涯にわたる糖質コルチコイド補充が必要となる。同時に、急性副腎不全のリスクを背負うことになる。これらを回避するため、副腎部分切除術が行われているが、すべての症例で副腎皮質を温存できるとは限らない。その他の方法として、自身の正常副腎皮質を体内に戻す副腎自家移植手術が試みられていた。しかし、ヒトでの成績は不良であり、確立されていない。われわれは、副腎自家移植成績向上のため、移植片再生の鍵となるタンパクを検索することとした。
副腎皮質移植片の再生過程には、発生発達期の副腎皮質層構造形成に関与するタンパクの関与が疑われるが、それらを明らかにした報告はない。われわれは、ラット副腎自家移植片を免疫組織化学、in situ hybridizationなどの手法を用いて解析した結果、ヘッジホッグファミリータンパク(HH)の一つであるDesert hedgehog(Dhh)が一過性に上昇することを明らかにした。
HHは全身臓器の発生発達、恒常性維持に重要な働きをしている分泌タンパクであり、哺乳類ではSonic Hedgehog(SHH)、Dhh、Indian HHの3つが発現している。基本的に各HHの発現は空間的、時間的に重複しない。これまで副腎では唯一SHHが発現しているとされてきた。Shh陽性細胞は成体副腎幹・前駆細胞としても報告されている。本研究では、副腎での発現が報告されていない、主に性腺で発現するDhhの一過性上昇を明らかにした。同時期に、副腎の発生発達期に認められる遺伝子群の発現を認めており、副腎自家移植片における組織再構築と内分泌機能獲得へのDHHの関与が示唆された。移植片再生過程におけるHHの働きを解明することは、移植片の早期機能回復のために有用な手段を得るヒントになることが期待されるとともに、幹細胞移植への利用も期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Involvement of DHH and GLI1 in adrenocortical autograft regeneration in rats.2018

    • 著者名/発表者名
      Takizawa N, Tanaka S, Oe S, Koike T, Yoshida T, Hirahara Y, Matsuda T, Yamada H.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 28;8(1) ページ: 14542

    • DOI

      10.1038/s41598-018-32870-9.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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