研究課題/領域番号 |
16K10490
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬戸 泰之 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00260498)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 食道癌 / 食道手術 / ロボット支援下非開胸食道亜全摘術 / 低侵襲手術 |
研究実績の概要 |
本研究は、食道癌に対し我々が2011年11月より新しく開発・導入してきた術式であるロボット支援下非開胸食道亜全摘術(以下非開胸手術)と、従来から行われている右開胸開腹食道亜全摘術(以下開胸手術)の術後サイトカイン値、長期的な術後QOL、栄養状態、呼吸機能を比較しロボット支援下非開胸食道亜全摘術の低侵襲性を検証するものである。 2年間新規対象症例を募集し、60症例の集積を得た。その短期成績において、開胸手術と比較して非開胸手術を受けた症例の術後インターロイキン6、8、10が有意に低かったという結果を得た。また、手術時間は非開胸手術群で有意に長かったものの、出血量は有意に少なく、術後肺炎発症率においては非開胸手術群で0%、開胸手術群で31.4%と有意に非開胸手術群で低かった。さらに術後在院日数においても非開胸群で有意な短縮を認めたという良好な成績であった。 今後、これらの対象患者における術後QOL、栄養状態、呼吸機能等を継続的に評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年間の新規対象募集期間を終え、60症例の適応症例の集積を得た。その短期成績において研究実績の概要で説明した通り、ロボット支援下非開胸食道亜全摘術が右開胸開腹食道亜全摘術と比較して良好な術後成績であることが示され、過去に同術式の短期周術期成績を集計した後方視的研究結果の裏付けともなるデータが得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、対象症例におけるEORTC QLQ-C30、EORTC QLQ-OES18というアンケート調査票用いた術後QOL調査、術後栄養状態、術後呼吸機能を、術後3、6、12、18、24ヶ月において評価し、ロボット支援下食道亜全摘術と右開胸開腹食道亜全摘術とで比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は順調に進捗しており、研究結果により生じた未使用額である。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究で得られた結果を踏まえ今後学会等で報告を行なっていく予定である。
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