研究課題
【目的】消化器癌におけるPD-L1の発現調節機構を解明し、免疫チェックポイント阻害剤の効果増強、ResponderのPrediction、Non-responderの機序解明に寄与することを目的とする。【結果】①30種類の消化器系固形癌細胞株を対象とし、MAPK阻害剤, あるいはIFN-gamma存在下で培養し、PD-L1の発現、MHC class I発現をFlow cytometryで、JAK-STAT、およびERKタンパクをWestern Blotで検討した。その結果、消化器固形がんは30株中の28株で、JAK-STAT系を介してIFN-gammaで発現増加が認められた(論文発表、Cancer Science 2018)。②EMTを惹起するIn vitroモデルで、Mesenchymal形質に変化することにより、Snailを介して、PD-L1の発現増加が認められた。また、食道扁平上皮がんの手術検体において、EMTscoreと、PD-L1に正の相関があった。したがって、消化器固形がんではEMT変化により、PD-L1の発現増加が証明できた(論文発表 Cancer Medicine 2018)
2: おおむね順調に進展している
本申請研究により、2編の国際ジャーナル(Cancer Science, Cancer Medicine)に発表した。
3年間の研究により、消化器癌のPD-L1発現機構が解明されつつあり、さらに腫瘍微小環境におけるmicroRNAの関与を示すPreliminary dataが得られた。そこで、研究費の残余を使用して、1年間の研究機関の延長を申請し、承認された。さらなるPD-L1の調節機構を解明する予定である。
本研究により、2編の論文発表したが、さらに発展型の新しい知見があり、これを研究費残額で実行する延長申請を提出し、承認された。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Cancer Science
巻: 109 ページ: 43-53
Cancer Medicine
巻: 7 ページ: 3321-3330