研究課題/領域番号 |
16K10523
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
寺島 雅典 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (40197794)
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研究分担者 |
大島 啓一 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10399587)
楠原 正俊 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (40169991)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 外科 / 癌 / ゲノム / マイクロアレイ |
研究実績の概要 |
これまで胃癌症例258例を対象として血液、胃癌腫瘍組織、非癌部粘膜から検体を採取し、全エクソン解析並びに網羅的遺伝子発現解析を実施し、ゲノム変異、体細胞変異、遺伝子増幅、融合遺伝子の検出および遺伝子発現異常の検出に取り組んでいる。 遺伝子発現解析が終了した180例のデータを用いてACRGのモデルをあてはめてみたところ、ACRGからの報告と同様に我が国の胃癌症例も、MSI(22例)、MSS/EMT(22例)、MSS/TP53+(57例)、MSS/TP53-(79例)の4タイプに分類可能であった。これらの4タイプで臨床病理学的因子について検討すると、MSIは高齢者でL領域に多く、EMTは若年者、未分化型、肉眼型3,4型が多い傾向が認められた。まだ追跡期間が短いものの、疾患特異的生存期間はMSI>TP53->TP53+>EMTで有意な差が認められた。更に、TP53の変異の有無をClinvar、DoCMによる病原性に基づいて分類すると、Tp53+とTP53-の間に有意な疾患特異的生存期間の差が認められた。 更に、hereditary diffuse gastric cancer (HDGC)のガイドラインに基づいて家族歴の有無により遺伝子変異解析、遺伝子発現解析の比較を行うと、家族歴を有する胃癌で強く発現している遺伝子群が同定され、その遺伝子群でクラスター解析を行うことにより、びまん性胃癌は2群(高発現群、低発現群)に分類された。この高発現群においてCDH1の変異が高率に認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで既に胃癌248症例に関して遺伝子変異解析、遺伝子発現解析が終了しており、モデルのあてはめ、独自のアルゴリズムの開発に取り組んでいる。また、融合遺伝子解析に関しても融合遺伝子パネルを用いた解析を開始している。唯一、micro-RNAの網羅的解析に関しては現時点であまり進捗していない。
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今後の研究の推進方策 |
対象症例を予定通り400例を目標として遺伝子変異解析、遺伝子発現解析を行う。これらのデータからクラスター解析、主成分分析などを用いて、我が国の胃癌のサブタイプ分類を試みる。更に臨床病理学的因子や生存転帰との関連を解析し、分類の妥当性について検討する。可能であれば海外の研究グループと共同研究を企画し、我が国の分類の検証を依頼する。また、各サブタイプにおいて、パスウェイ解析により主要な遺伝子異常を抽出し、新たな分子標的となる分子を探索し、Precision medicineへの応用の可能性について検討する。更に胃癌ではあまり検討が進んでいない癒合遺伝子に関しても解析を実施する。 これらの研究により十分な成果が期待される場合は、予定していたmicro-RNAの解析を一時中断し、現在の研究の進捗に専念する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子解析の進捗並びに、micro-RNAの発現解析がよていよりやや遅れたため、研究費に余剰が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は予定通り400例まで遺伝子変異解析、遺伝子発現解析を施行する予定であり、研究費の執行は充分に可能であると思われる。
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