研究課題
胃癌の分子学的発生機序は4つのタイプに分類されることが最近報告されたが、その詳細は未だ明らかではない。我々はこれまで、胃癌の進展に関与する各遺伝子群と治療効果に関して報告してきた。一方、進行胃癌の腹膜転移は診断も難しく、予後不良で効果的な治療がない。我々は胃癌の腹膜転移における早期診断およびメカニズムにおいても報告してきた。本研究は、胃癌の発がんタイプ別に各遺伝子群とマイクロサテライト不安定性、さらにゲノムワイドなメチル化との関連を調べることで、胃癌の発生および進展を検討する。さらに、タイプ別胃癌の腹膜転移のメカニズムを解明することで治療効果予測につなげることを目的とする。
3: やや遅れている
本年度は、約100例の臨床検体を用いて胃癌の4つのタイプを検証している。具体的には、EB virus、CDH1、p53、MSI(マイクロサテライト不安定性)を免疫組織学的に現在検討中である。
胃癌のタイプ別の検討を300~400例追加し、さらに検証をすすめる。特に、上記のEB virus、CDH1、癌抑制遺伝子p53、MSI(マイクロサテライト不安定性)以外にDNAのメチル化および染色体不安定性も検証する予定である。また、タイプ別胃癌のうち、ゲノム安定性胃癌と染色体不安定性胃癌に腹膜転移形式が多いと考えられるため、癌抑制遺伝子p53、接着因子、ケモカインレセプター(CXCR4)等を免疫組織学的に染色しタンパク発現を検証する予定である。
研究を進めていく上で必要に応じて執行した。当初の見積額と異なったが、研究計画に変更はなかった。当初予定通りに研究を行うが、研究推進の為には、本年度の繰り越し額を含めて研究費が必要である。
当初の予定通りに研究を行う。
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