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2018 年度 実績報告書

クローン病長期寛解維持のための薬剤反応性予測マーカーの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10535
研究機関三重大学

研究代表者

荒木 俊光  三重大学, 医学系研究科, 准教授 (70343217)

研究分担者 大北 喜基  三重大学, 医学系研究科, 助教 (20378342) [辞退]
内田 恵一  三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30293781)
井上 幹大  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (30422835)
大竹 耕平  三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (40378344)
楠 正人  三重大学, 医学系研究科, 教授 (50192026)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードクローン病 / 再発 / 手術 / 抗TNF抗体 / サイトカイン / IL-23
研究実績の概要

目的: クローン病の術後再発の抑制に、抗TNF-α抗体製剤が有用であることが知られているが、一部にこれに抵抗し、再発・再手術を余儀なくされる症例が存在する。手術時の臨床病理学的因子と腸管粘膜内におけるサイトカイン等の発現との関連から、術後の抗TNF抗体製剤抵抗性の因子を同定することを目的とした。方法: 114例の腸管切除症例から腸管病変部、非病変部の組織が採取された。RNA抽出、cDNA化を行った。この中のサイトカインおよびケモカイン(IL-6、-12、-23、TNF-α、HSP47、CXCL16)を測定した。それらの発現量をquantitative real-time PCRにて測定した。また同じ組織標本からmRNAおよびmiRNAを抽出後、miR137および124の発現を検討した。手術的再発を予後と規定し、これらとの関連を検討した。結果:15例(13.2%)の手術的再発例が認められた(複数手術歴あり9/30例 vs 複数手術歴なし6/84例; p=0.003)。臨床病理学的因子では、複数回の手術歴が手術的再発との間に有意な関連が認められた。手術的再発群で病変部のIL-23有意な低発現が認められた(0.12 ± 0.16 vs 0.70 ± 2.3; p=0.018)。一方で、miR124は病変部位において再発例で非再発例に比して低発現の傾向が認められた(8.35 ±2.35 vs 10.00 ± 3.56; p=0.058)。結論: クローン病腸管病変部のIL-23発現量が術後の抗TNF-α抗体製剤抵抗性と関連しており、治療薬選択の一助となる可能性が示唆された。これによって、手術後の再発率がさらに抑制され、クローン病の予後改善につながると期待している。また、このことは手術を受ける前の病変にも応用できる可能性があり、通常の内科的治療選択の際の指標となるかもしれない。

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公開日: 2019-12-27  

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