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2017 年度 実施状況報告書

がんのニオイ発生の分子機序解明と新しいがん診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10542
研究機関九州大学

研究代表者

沖 英次  九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)

研究分担者 園田 英人  九州大学, 大学病院, その他 (00465725)
佐伯 浩司  九州大学, 大学病院, 助教 (80325448)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードがんのにおい / 尿 / がん探知犬
研究実績の概要

我々はこれまでにがんの匂いの発生源を知る目的で、がん細胞培養液と線維芽細胞培養液を比較し、ラブラドールレトリバー犬が、乳癌、胃癌、大腸癌、細胞株培養液と線維芽細胞株を前述の方法で判定可能であることを確認した。
また、知能を有さず、人間の約4倍の嗅覚受容体遺伝子を持つ線虫Caenorhabditis elegans(C. elegans) を用いてがんのニオイに対する化学走性を指標とするがん検出の可能性についても解析した。その結果、線虫が、がん細胞培養液上清およびがん患者尿に対して誘引行動を示し、コントロール尿に対して忌避行動を示す事を発見した。242検体(早期がんを含むがん患者24検体、コントロール218検体)でのがん患者検出の精度は、感度100%、特異度95%と非常に高いものであった。
つまり、がんの匂いはがん細胞から発生していると推察されている。さらに、我々は培養細胞上清と尿を対象としたGC/MS、LC/MSの分析から、がん細胞特異的代謝変化に起因すると考えられる脂肪酸Aの上昇をがん細胞上清とがん患者尿において確認した(論文準備中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定であった発がんマウスモデルが順調に進まず、犬と細胞株を利用した研究を継続中である。

今後の研究の推進方策

生体内のがん組織と正常細組織において直接がんの匂い物質物質の分布を検討したものはない。物質濃度がもっとも高い組織を直接検討する事によって、がんの匂いが発生する詳細な生理学的メカニズムの解明につながることが期待される。顕微鏡下に1凍結切片上のがんおよび正常組織に、MALDIを用いてN2レーザーを照射し分析試料をイオン化しスポット毎のイオン化物をTOF-MSで分析する。
これによって脂肪酸Aおよび類似脂肪酸のマッピングを行う。
将来的には、脂肪酸Aおよび類似脂肪酸を標的とした診断治療ナビゲーションの可能性について探索する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A Multicenter Clinical Phase II Study of FOLFOXIRI Plus Bevacizumab as First-line Therapy in Patients With Metastatic Colorectal Cancer: QUATTRO Study.2018

    • 著者名/発表者名
      Oki E
    • 雑誌名

      Clin Colorectal Cancer.

      巻: 9 ページ: 3013-3014

    • DOI

      10.1016/j.clcc

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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