研究課題
局所再発巣の切除は高侵襲・高難度であり合併症が重篤になりやすく、切除困難なら疼痛、出血など患者QOLは著しく低下する。そのため局所制御と生存率の改善を目指し術前放射線治療(RT)あるいは術前放射線化学療法(CRT)が行われてきた。直腸癌の術前治療効果を予測するバイオマーカーは国内外で広く研究されてきた。術前治療前の内視鏡による生検標本を用いて、分子・遺伝子マーカーをRNA(qRT-PCR)やタンパクレベル(免疫染色:IHC)で評価するという報告が多く認められる。しかし報告間で結果の不一致が目立ち、再現性に乏しいという指摘もあり、直腸癌の術前治療効果予測の必要性に比して、臨床的に有用なバイオマーカーの確立には至っていないのが現状である。本研究は直腸癌の術前治療の感受性・抵抗性を予測する、再現性の高い個別化バイオマーカーの作成と検証を目的としている。本研究では、術前治療前生検検体のマイクロアレイデータ解析(複数の公開データセット)・文献検索による候補遺伝子の抽出と絞り込みを行い、独立したデータセットを用いた再現性の検証を行ったものである。Affymetrix、Agilent、Illuminaなど各社のマイクロアレイプラットフォームにより解析された総計300例を超えるサンプル数の確保が可能であった。3つのコホートをdiscovery setとして用いることで、独自の放射線化学療法抵抗性を予測する遺伝子セットを作成した。また既報告の論文からも予測遺伝子ないし遺伝子セットを抽出し、独立した4つのコホートに適用し、その意義を検討した。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件)
PLOS ONE
巻: 13 ページ: e0200315
10.1371/journal.pone.0200315
Clinical Cancer Research
巻: 24 ページ: 4468~4481
10.1158/1078-0432.CCR-17-3533
Oncology Letters
巻: 15 ページ: 2065-2072
10.3892/ol.2017.7559
巻: 15 ページ: 2188-2194
10.3892/ol.2017.7555