研究課題/領域番号 |
16K10546
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 泉 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80423804)
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研究分担者 |
竹之下 誠一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10167489)
石亀 輝英 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50583358)
野田 勝 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50769643)
横内 裕二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60252227)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大腸ガン / 家族性大腸ポリポーシス / FAP / APC / 家族性腫瘍 / 疾患モデル / iPS細胞 / 大腸上皮細胞 |
研究実績の概要 |
Step1. FAP疾患由来iPS細胞の樹立とその樹立法の最適化 【方法】 計画に従い、組換えセンダイウイルスベクターを用いたiPS細胞作製キットを用いてヒトiPS細胞を樹立した。まずFAP患者様の末梢血より密度勾配遠心法を用いて単核球を分離した。次に、山中4因子を発現するウイルスベクターを本単核球に感染させた後、マウス繊維芽細胞上で40-50日間、5-6回の経代培養することでヒトiPS細胞を得た。 【結果】 これまでに、1名のFAP患者様よりFAP特異的iPS細胞を樹立した。ウイルスベクター陰性の細胞株は9株であり誘導効率は1.28%であった。不定形のコロニーが形成されやすかったため、再クローニングを実施した。また、変異点が異なるAPC遺伝子を有するヒトiPS細胞を樹立するための準備(患者様情報の精査)を実施している。
Step2. 疾患由来iPS細胞からの大腸上皮細胞への分化誘導法の確立 ①合成培地によるヒトiPS細胞から中・後腸前駆細胞の分化誘導 【方法】先行論文の手法に従い、合成培地mTeSR1に馴化させたヒトiPS細胞を複数の成長因子群と低分子化合物を使用した培地で培養し中・後腸前駆細胞まで分化誘導した。【結果】中・後腸前駆細胞の分化マーカーであるFOXA2/CDX2二重陽性細胞が効率よく出現 (50-70%)することを確認した。 ②中・後腸前駆細胞の分化誘導 【方法】①の中・後腸前駆細胞に、胚後方化因子群を投与し大腸上皮細胞マーカー群を効率よく誘導できる組成を同定する。【結果】本年度は条件設定を検討中であり、最終結果は得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当学の研究室再編に伴う研究施設異動のため、その準備と再設営のために3ヶ月ほど集中した実験ができなかったため、中・後腸前駆細胞に、胚後方化因子群を投与し大腸上皮細胞マーカー群を効率よく誘導できる組成を同定する検討に遅れがでたと考えます。
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今後の研究の推進方策 |
実験者の実験スケジュールにある程度の余裕をもたせるため、他の技術者にも細胞培養技術等を訓練し本研究の補助を行わせ推進できるようにいたします。また、特許申請、論文発表を見据えて研究計画を詳しく立案し計画的な実験を心がけます。
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね計画通りに使用したが、本年度は予定していた学会参加などを行わなかったことにより次年度使用額が生じたと考えます。
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次年度使用額の使用計画 |
プリンタトナー、事務用品を購入する。
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