研究課題/領域番号 |
16K10550
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
小林 敬明 杏林大学, 医学部, 助教 (10439169)
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研究分担者 |
正木 忠彦 杏林大学, 医学部, 教授 (30238894)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 抗がん剤感受性 / 低酸素 / 高圧酸素 |
研究実績の概要 |
低酸素環境でHIF1αが高発現する大腸癌細胞株DLD1、HCT116を用いて抗がん剤感受性の変化を検討した。抗がん剤は消化管がんで使用されることがい多い5FU、シスプラチン、オキサリプラチン、SN38、セツキシマブを用いて行った。すべての薬剤で、低酸素環境では抗がん剤の感受性が低下する傾向であった。現在3D培養での抗がん剤感受性試験の準備中であり、既存の方法より簡便に3D培養を行うことができた。 また、低酸素プローブにより低酸素領域の描出を試みた。通常環境下では低酸素領域は存在しないが。酸素濃度を下げていくと低酸素領域が拡大することが分かった。 さらに高圧酸素培養をするため、ステンレス製の培養チャンバー(3気圧まで可)を用意し、1気圧で1週間の培養が可能であることを確認した。 一方、大腸がん組織でのHIF1αの免疫染色に関しては、設定決定に至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の複数の理由による。 1)大腸癌組織でのHIF1αの免疫染色の設定が決まらない。 2)抗がん剤感受性試験は予想以上にばらつきがあり、実験回数が多くなってしまった。 3)高圧酸素チャンバーに使用するボンベの納品が遅い。
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今後の研究の推進方策 |
免疫染色は費用が許せば自動免疫染色を検討する。 抗がん剤感受性試験に関しては、3d培養での実験に移るが、通常培養のデータを参考にすることで効率を上げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は通常の培養後に3D培養を施行する予定であったが、培養実験の精度が不十分であり、相当量の実験を予想数より施行することになった。このため前年度で培養用の実験試薬(培養液、ウシ血清アルブミンなど)がかなり必要となり30万円ほど予想より使用することになった。 この全体の実験の遅れのため初年度に使用するはずであった培養機器(高額なものは3D培養機器)を2年目に購入したため、次年度使用額が発生した。
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