研究課題/領域番号 |
16K10551
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長谷川 博俊 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00218455)
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研究分担者 |
鶴田 雅士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00348666)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 炎症性発癌 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、炎症性発癌における肺外サーファクタントタンパクD(SP-D)およびTNFα変換酵素であるADM17の役割について、モデルマウスを用いて明らかにすることを目的としている。まず、SP-Dノックアウトマウスにデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)溶液およびアゾキシメタン(AOM)を投与し、炎症性発癌モデルマウスを作成した。通常の野生型C57Bl/6マウスと比較を行ったところ、ノックアウトマウスのほうが、腫瘍のサイズの一つ一つは小さいものの、数が多く、また発癌を認めたマウスの割合も高かった。現在この実験に関しては、マウスの数を増やして検証を行っている。また摘出した腫瘍組織に関して、p53やKi67などの蛋白レベルを免疫組織染色法を用いて検証している。 ADM17コンディショナルノックマウスについては、まず、FLOXマウスおよびVille-Creマウスを入手し、まずは、タモキシフェンを投与することで腸管上皮に特異的にADAM17をノックアウトすることができるコンディショナルノックアウトマウスの作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SP-Dノックアウトマウスに関する炎症性発癌の検討は進んでいるが、ADM17コンディショナルノックアウトマウスの樹立に関しては予定が少し遅れている。供与してもらう予定のマウスがその後の検査にて感染症が発覚したために、その感染症の駆除などにかなりの時間を消費したことが原因と考えられる。結果的には、駆除には時間がかかるとのことで、別の教室を紹介していただき、現在はその繁殖に入った段階である。
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今後の研究の推進方策 |
ADA17コンディショナルノックアウトマウスの作成を進め、こちらに関して炎症性発癌との関連性について同様のDSS+AOMを用いたモデルマウスでの検証を行う。これと並行して、SP-Dノックアウトマウスとの交配によりダブルノックアウトマウスを作成し、タモキシフェンの投与の有無で、さらにSP-DとADAM17と炎症性発癌との関連性について検証を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
入手したコンディショナルノックアウトマウスの検疫で、感染症が見つかったために、新たな別の入手先を検討したりしたために、費用が予定通りとはいかない部分も生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
最終的にはコンディショナルノックアウトマウスも新たな入手先が見つかり、ほぼ予定通り実験は進められている。次年度使用額もわずかであり、ほぼ予定通りに研究を進める。
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