近年、一部の免疫チェックポイント阻害薬が高頻度のマイクロサテライト不安定性(MSI-High)を示すがんに奏功することが示された。一方、進行性大腸癌においてはMSI-High癌は比較的予後良好とされ、むしろ、MSI-Highではない癌が問題となる。EMASTはマイクロサテライト不安定性の一形式であり、MSI-Highとは排他的な関係にある。しかも、大腸癌の予後と負に相関する。本研究では、EMASTを誘導する低酸素下で細胞増殖を担う分子としてTrkBを見いだした。期間内に達成できなかった手法の改善やTrkBの大腸癌悪性化における役割の解明を進めることで、社会に一層貢献できるものと考える。
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