研究課題
大腸癌肝転移に対して初回肝切除を行った98例でKLF5免疫組織化学染色を施行した。98例中、KLF5が高発現は42例、低発現は56例。KLF5高発現群で腫瘍径が有意に大きく(p=0.0066)、H2、H3が多かった(p=0.0378)。全生存期間では、KLF5高発現群が有意に予後不良であった(初回切除後:p=0.0130、肝切除後:p=0.0289)。また手術治療が不可能な再発までの期間をみたTime to Surgical Failure(TSF)では、KLF5高発現群が低発現群と比較して有意にTSFが短かかった(p=0.0165)。肝切除からの生存期間に関する単変量解析では術前化学療法施行群、分子標的薬使用群、CEA高値、原発巣リンパ節陽性、H因子2または3、腫瘍個数4個以上、腫瘍径5㎝以上、KLF5高発現群が有意に予後不良。多変量解析では腫瘍個数4個以上(p=0.0402)、腫瘍径5㎝以上(p=0.0099)、KLF5高発現群(p=0.0450)が独立予後規定因子となった。細胞実験は、ヒト大腸癌原発巣細胞株DLD1、SW48を用いて行った。siRNAでKLF5のKnock downを行い、3種類のsiRNAでKLF5がKnock downされることを確認した。このSiRNAを用いて細胞増殖能、自己複製能をみたところ、ともにKLF5 をKnock downすることにより有意に減弱した。またKLF5をKnock downすることにより細胞増殖に関連する蛋白であるCyclinD1、また大腸癌のStem cell markerとして知られるc-Myc発現が減弱することがわかった。これらの結果をふまえ、臨床検体で細胞増殖能と関連するKi-67とc-Mycの免疫組織化学染色を施行したところ両者ともにKLF5発現と正の相関があることが証明された.
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