研究課題
手術前後のCT画像を用いて第3腰椎レベルでの総大腿筋面積(total psoas area:TPA)の筋肉量減少(サルコペニア)と術後在院日数、術後合併症発生数、腹腔内膿瘍、肝不全などの術後経過について検討した。術後在院日数は非サルコペニア群において30日、サルコペニア群において39日、術後合併症発生数は非サルコペニア群において37%、サルコペニア群において54%、腹腔内膿瘍は非サルコペニア群において18%、サルコペニア群において29%、肝不全は非サルコペニア群において16%、サルコペニア群において33%であった。サルコペニア群と比較して非サルコペニア群において良好な術後経過を認めた。手術前後の第3腰椎レベルでの総大腿筋面積(total psoas area:TPA)の測定により筋肉量低下と術後在院日数、術後合併症発生数、腹腔内膿瘍、肝不全などの術後経過について検討した。術後男性において5.0%以上、女性で2.6%以上の低下を筋肉量低下と定義した。術後在院日数は非筋肉量低下群において32日、筋肉量低下群において35日、術後合併症発生数は非筋肉量低下群において33%、筋肉量低下群において64%、腹腔内膿瘍は非筋肉量低下群において18%、筋肉量低下群において29%、肝不全は非筋肉量低下群において18%、筋肉量低下群において31%であった。筋肉量低下群と比較して非筋肉量低下群において良好な術後経過を認めた。手術に伴う筋肉量減少(サルコペニア)を防ぐためにも、血清のアルブミン値を高く維持すること、すなわちタンパク質の摂取を積極的に行うことが重要であることを示唆された。またシステインとアルブミンの関連性より、システインの投与が手術に伴う筋肉量減少(サルコペニア)の改善に有効である可能性が示唆された。