研究課題
肝虚血再灌流障害におけるprotease-activated receptor-1 (PAR-1) とsphingosine-1-phosphate receptor 1 (S1PR1) の作用機序の解明に関する研究であり、S1PR1のSelective agonist (SEW2871)を投与することで、血清トランスアミナーゼと組織学的な肝障害を有意に改善し、血液中のリンパ球数を有意に低下させ、Ly-6G(好中球)、MAC-1(マクロファージ)陽性細胞の肝への浸潤を有意に軽減し、肝における炎症性サイトカイン、vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)の発現を有意に抑制し、肝におけるendothelial nitric oxide synthase (eNOS) 、vascular endothelial (VE) cadherinの発現を有意に増加させた。In vitro studyでは、SEW2871添加によりSECでのeNOS, VE cadherinの発現が有意に増加した。また生存シグナルの確認において、SEW2871添加はAktのリン酸化を有意に亢進させ、細胞上清でのLDHを有意に低下させた。以上の結果をまとめた論文が2017年のJournal of surgical researchに掲載された。またPAR-1については現在進行中であるが、PAR-1 peptide agonist投与による予想された細胞保護効果の結果を得ることが出来なかったが、PAR-1 antagonistにて興味深い結果を得ており、現在、in vitro実験で確認作業中である。
2: おおむね順調に進展している
肝虚血再灌流障害におけるPAR-1 peptide agonist投与による予想された細胞保護効果の結果を得ることが出来なかったが、PAR-1 antagonistにて興味深い結果を得ており、現在、in vitro実験で確認作業中で、概ね順調に進展している。
今年は肝虚血再還流障害に対してPAR-1がどのように関与しているかについて、in vivoとin vitroの実験を行い、解明する予定である。また今後の発展性についても探求している。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Journal of Surgical Research
巻: 222 ページ: 139-152
10.1016/j.jss.2017.09.048.