研究課題/領域番号 |
16K10576
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 助教 (90382423)
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研究分担者 |
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
内山 秀昭 九州大学, 大学病院, 助手 (70380425)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
副島 雄二 九州大学, 大学病院, 助教 (30325526)
池上 徹 九州大学, 大学病院, 助教 (80432938)
播本 憲史 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (00419582)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / Nrf2 / Nqo1 |
研究実績の概要 |
肝癌治療における問題点の一つは局所療法や塞栓療法後の局所再発であり、しばしば治療抵抗性へと進展する。近年、ストレス応答性転移因子の一つであるKeap1-Nrf2制御系が抗酸化タンパク獲得、代謝リプログラミングにより癌の悪性化に寄与していることが明らかになってきている。Keap1-Nrf2制御系の解析は癌の悪性化獲得のメカニズムの解明に非常に重要であるだけでなく、新しい治療法開発に向けて、その研究の進展が期待されている。本研究の目的は、肝癌におけるKeap1-Nrf2制御系の分子生物学的解析と革新的治療法への応用を検討することである。具体的には、(1)肝癌におけるKeap1-Nrf2制御系発現異常、(2)肝癌の悪性化獲得におけるKeap1-Nrf2制御系の役割、メタボローム解析、(3) Keap1-Nrf2制御系による肝癌の革新的治療の開発について詳細な検討を行う。 平成28年度:Nrf2タンパク発現と臨床病理学的因子との検討を行い、肝細胞癌の浸潤・転移に関与し、独立した予後因子であることが明らかになった。 平成29年度:肝癌細胞株を用いたNrf2の役割について検討を行った。非接着培養の肝癌細胞株においてNrf2タンパクおよびその標的遺伝子HO-1、Nqo1タンパク発現更新を認めた。Nrf2阻害によりHO-1およびNqo1タンパク発現は抑制された。非接着培養によって解糖系酵素およびNADPH産生酵素の発現亢進を認めた。Nrf2阻害剤を用いることによる肝癌細胞株の増殖および遊走が阻害された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の目標通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
Nrf2の標的遺伝子Nqo1の変化をさらに検討する必要がある。臨床的意義に関しては切除標本を用いてNqo1発現の変化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、Nqo1の臨床的発現の意義に関する研究・実験を行う予定だったが、来年度行うこととなった。当初予定していたNqo1発現の実験を次年度行うために必要な抗体(Nqo1)等を次年度繰越金5万円で購入する
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