研究課題/領域番号 |
16K10585
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 順司 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (40342654)
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研究分担者 |
緒方 衝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 臨床検査医学, 准教授 (00531435)
川内 聡子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 生体情報・治療システム研究部門, 講師 (20506505)
青笹 季文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 准教授 (40649034)
佐藤 俊一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 生体情報・治療システム研究部門, 教授 (90502906)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 拡散反射スペクトル / 脂肪肝 / 炎症 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 非アルコール性脂肪肝 / 非アルコール性脂肪肝炎 |
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝硬変、肝癌、肝不全へと至る進行性の病態である。よって、非アルコール性脂肪肝(NAFL)とNASHを鑑別することは重要であるが、侵襲的な肝生検以外には信頼できる方法がない。 本研究で我々は、炎症を伴う脂肪肝の状態を評価するために、組織採取を必要としない拡散反射スペクトル(diffuse reflectance spectroscopy (DRS))法の有用性を評価した。近赤外光と可視光の両方のスペクトル領域で、生後6週齢でNAFL、8週齢でNASH、12週齢で肝線維症を呈するSTAMマウスの肝組織でin vivoの光ファイバーDRS測定を行った。 In vivo計測後すべての肝組織は組織学的に評価しNAFLD活動性スコアをもとにスコア化した。DRS情報と脂肪化、炎症のスコアの相関を検討した。遠赤外光での脂肪吸収のピークである波長1204 nmでのDRSの2次微分値は脂肪肝スコアと強い相関をしめし(r=0.9118, p<0.0001, n=5)、ヘモグロビンの還元状態を示す可視光領域でのDRSの1次微分値の差分(570 nm -550 nm)は炎症スコアと強い相関(r=0.5260, p=0.0172, n=5)があった。 これらの結果は我々のDRS測定系は炎症を伴う脂肪化状態すなわちNASHの診断に有用であることを示唆した。
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