| 研究課題/領域番号 |
16K10592
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
石井 隆道 京都大学, 医学部附属病院 肝胆膵・移植外科, 助教 (70456789)
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| 研究分担者 |
安近 健太郎 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00378895)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
河合 隆之 京都大学, 医学研究科, 医員 (00813867)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 癌幹細胞 / 胆管癌 / 胆道外科学 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，肝幹/前駆細胞マーカーであるAFPおよびCD90と胆管細胞癌幹細胞との関係を細胞生物学的に検証するとともに，胆管細胞癌幹細胞が引き起こす癌の転移メカニズムを検討し，胆管細胞癌に対する新規治療ターゲットの同定を目的とする．
前年度において，胆管細胞癌切除標本におけるAFPとCD90発現の検証をおこなったところ，CD90は胆管細胞癌のリンパ節転移と強い相関を持っていることが判明した．
本年度は胆管細胞癌株におけるAFP陽性CD90陽性細胞の単離を行なった．AFP発現細胞を可視化するためにHuman AFP の転写調節領域(enhancer/promoter)をクローニングしAFP 転写調節下にEGFPを発現するプラスミドベクターを作成した．そのベクターをヒト胆管細胞癌細胞株へ遺伝子導入を行い，複数の胆管癌細胞株に置いて安定導入株を得た．
これを用いてin vitroで検証したところ，フローサイトメトリーでAFP発現の有無やCD90発現の有無に置いて細胞を分離することができた．AFP陽性かつCD90陽性細胞は，CD90陰性細胞よりも定量PCRにてケモカインレセプター（CXCR）4およびマトリックスメタロプロテアーゼ（MMP）7を含む上皮間葉転換関連遺伝子のより高い発現を示し，さらによりwound healing assayやmigration assayにおいて高い遊走能を有していることがわかった．
これらによりCD90陽性胆管癌細胞はより高い転移能をもち，臨床的に重要な意義を持つことが示唆された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り概ね順調に研究は進んでいる．
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| 今後の研究の推進方策 |
CD90陽性細胞が高い転移能を有するメカニズムの解明を今後の研究の目標とする．具体的には，AFP陽性CD90陽性細胞・陰性細胞において，既知の上皮間葉転換に関連しているとされるシグナル経路であるSmad2/3のリン酸化をウェスタンブロッティングなどにて比較検証しTGFb/Smad pathwayとの関連を調べる．続いてAFPとCD90のsiRNAや強制発現ベクターを用意し，それぞれのGain/Loss of functionにより各signaling pathway の活性化に変化が生じるかを比較検証する．
また臨床的には上述のようにCD90陽性胆管癌はリンパ節転移と相関することが示されている．CXCR4はケモカインレセプターであり，これを中和する抗体を用いることで細胞の遊走能が抑制されるのか，などの機能変化をin vitroで観察するとともに，動物実験モデルにおいてリンパ節転移との関連を検討しそれを抑制する方策についても検討する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度に癌幹細胞におけるDNA次世代シークエンスなどのDNA解析を行う予定であり，その解析費用の一部とするため．
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