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2018 年度 研究成果報告書

肝転移過程における肝内血管内皮細胞の新たな役割-防御から促進へ-

研究課題

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研究課題/領域番号 16K10599
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 消化器外科学
研究機関九州大学

研究代表者

前山 良  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10611668)

研究分担者 藤田 逸人  九州大学, 医学研究院, 助教 (40611281)
大内田 研宙  九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード膵癌 / 肝転移 / 血管内皮細胞
研究成果の概要

我々は膵癌の浸潤において癌微小環境中の癌関連線維芽細胞が癌細胞の浸潤を先導するleading cellとして機能することを報告した。血管内皮細胞も血管新生の際に高い細胞外基質分解能と遊走能を発揮することから、leading cellとして機能する可能性が考えられた。3D培養環境で膵癌細胞株とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を共培養し、HUVECが膵癌の浸潤に与える影響を検討したところ、leading cellとしての機能は確認できなかったが、遊走能を亢進させることが示唆され、また、好中球細胞外トラップが肝転移巣での癌関連線維芽細胞の誘導を促進することで肝転移形成を促進する可能性も示唆された。

自由記述の分野

医歯薬学

研究成果の学術的意義や社会的意義

膵癌は、非常に予後不良な癌腫であり、その原因の一つとして高い転移能が挙げられる。
転移先の臓器は主に肝・肺・腹膜・骨であり、中でも肝転移は膵癌患者の予後に大きく関わる。近年、さまざまな癌腫において肝転移のメカニズムが徐々に解明されてきているが、肝転移における肝内血管内皮細胞の役割については未知の部分が多い。
本研究において、癌の肝転移形成に関わる現象として好中球細胞外トラップに着目し、好中球細胞外トラップが肝転移巣での癌関連線維芽細胞の誘導を促進することで肝転移形成を促進している可能性が示唆された。このことは今後の新たな膵癌肝転移の制御法を開発する一助となると思われる。

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公開日: 2020-03-30  

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