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2018 年度 実績報告書

膵癌前癌病変周囲の間質細胞由来exosomeに着目したバイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10601
研究機関九州大学

研究代表者

宮坂 義浩  九州大学, 大学病院, 助教 (40507795)

研究分担者 白羽根 健吾  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10529803)
当間 宏樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80437780)
大内田 研宙  九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード膵癌 / バイオマーカー / エクソゾーム / miRNA
研究実績の概要

本研究の目的は、様々なタンパク質や核酸を含む直径100nm程度の小胞で細胞間の情報伝達を担うエクソゾームに着目し、膵前癌病変周囲の間質細胞に由来するエクソゾームを同定・解析して新たな早期診断バイオマーカーを開発することである。膵癌は外科切除不能な段階で診断されることが多いため、早期診断のためには膵癌発症の危険因子ごとに発癌・進展に至る詳細なメカニズムを解明し、精度が高く汎用性のあるスクリーニング検査を開発することが求められる。
本年度はヒト膵癌術前症例から採取した膵液中エクソゾームに含まれるmiRNA(ex-miRs)のマイクロアレイ解析を行い、ex-miR320a、320b、361、145、29cの5種をバイオマーカー候補として同定した。バリデーションを行ったところ、すべてのex-miRsは慢性膵炎群と比較して膵癌群で有意に高発現していた(p<0.0001、p<0.0001、p<0.0001、p<0.0001、p=0.0009)。AUCはそれぞれ0.923、0.923、0.916、0.930、0.852であり、血清CA19-9のAUC(0.680)と比較の比較において、ex-miR320a、320b、361、145は血清CA19-9よりも有意に診断能が優れていたが(p<0.01)、ex-miR29cとは有意差を認めなかった(p=0.15)。また、ex-miRsの正診率はそれぞれ90%、90%、85%、90%、76%であり、膵液細胞診の71%よりも優れていることが確認できた。エクソゾームの由来細胞について現時点では同定できておらず、また、前癌病変の間質細胞からのエクソゾームの採取、解析は今後の検討課題であるが、本研究において膵液中のex-miRsが膵癌診断のバイオマーカーとして有用である可能性を示すことができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Pancreatic Juice Exosomal MicroRNAs as Biomarkers for Detection of Pancreatic Ductal Adenocarcinoma.2019

    • 著者名/発表者名
      Nakamura S, Sadakari Y, Ohtsuka T, Okayama T, Nakashima Y, Gotoh Y, Saeki K, Mori Y, Nakata K, Miyasaka Y, Onishi H, Oda Y, Goggins M, Nakamura M
    • 雑誌名

      Ann Surg Oncol

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1245/s10434-019-07269-z

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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