研究課題
胆管癌切除標本において、galectin-3の免疫染色を行うと、癌先進部やリンパ節転移部、多臓器転移巣において癌細胞核内にgalectin-3が局在しており、この所見を認める症例は予後不良であることを報告した。また、肝胆膵癌において血液中のgalectin-3濃度をはじめsoluble intercellular adhesion molecule-1 (sICAM-1)、vascular endothelial growth factor(VEGF)、などの血管新生因子および臨床病理学的因子との関連を検討した。胆管癌、膵癌において血液中galectin-3濃度が高値(10.2 ng/ml以上)群では有意に予後不良であり、Cox比例ハザードモデルでは独立予後因子であった。これらの結果を踏まえて胆管癌細胞株であるHuCCT-1を用いてgalectin-3の核内移行メカニズムの検討を行った。通常のdish上で培養すると、galectin-3は主に細胞質にその発言が認められた。dishへの接着を阻害するpoly-HEMEでコーティングした後に培養するとgalectin-3は核内に発現が認められた。これまでの報告にて、beta-cateninおよびGSK-3betaとの関連が認められているため、これらの阻害薬の濃度を変えて添加して同様の実験を行ったが、核内への移行を阻害することはできなった。galectinは免疫チェックポイント阻害薬との関連も報告されていたため、PD-1/PD-L1に関しても胆管癌細胞株ならびに切除標本における免疫組織学的検討を行った。今回の検討では、免疫チェックポイントとの有意な関連は発見できなかった。
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