1. in vivo治療モデルにおけるMSの成因の検証とMSが癌臨床過程に及ぼす影響の解析: マウス皮下腫瘍モデルを安定して作成することが可能となり,現在,抗がん剤(ゲムシタビン),放射線治療負荷モデルを作成.治療介入によるデータ(肝臓内脂肪量,筋肉内脂質量,体重,血糖)を集積中である.また,高脂肪食負荷マウスを用い,自発性輪廻しの基礎データを集積中である.今後,高脂肪食負荷マウスによる腫瘍モデルの作成を考慮する. 2.実際の膵癌患者における身体活動量とMSとの相関関係:切除不能膵癌患者を対象として,実施の活動量を活動量計で計測し,CTで計測されるMSとの相関,化学療法の治療効果との相関を計測し,データの集積を終了した. 3.膵癌術前治療患者に対する有酸素運動による介入試験:Ⅱ型糖尿病患者に対する同様の介入がMSを改善させたという報告はあるが,悪性腫瘍加療中におけるMSの予防を試みた研究は存在しない.本研究期間において,術前治療期間中の膵癌患者に対する有酸素運動を中心とする術前介入のパイロット試験を終了し,骨格筋脂肪化の変化を中心とする臨床データの分析を終了し,特定臨床研究としてプロトコールを作成,倫理委員会に提出したところである.また,切除不能膵癌患者を対象とした有酸素運動(walking)による介入試験についても,準備を進めており,切除不能膵癌患者における化学療法中のMSの維持及び化学療法の忍容性,生活の質に関する臨床試験を開始予定である.
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