研究課題
マウスXCL1(mXCL1)クローニングベクターを用いて、XCL1の配列に続いて、MHC classⅠ peptideであるOVA257-264ペプチドとFLAG tagの配列を含むオリゴDNAを設計し、「XCL1-OVA peptide-FLAG」の配列をもつplasmid DNAを293T細胞にtransfectionした後にFLAG抗体を用いて精製することで、マウスXCL1と卵白アルブミン(OVA)由来の抗原ペプチド(OT-I)を融合させたXCL1-OVAペプチド連結ワクチン(mXCL1-OT-I)を作成した。このmXCL1-OT-Iが、従来のペプチドワクチンやタンパクワクチンと比べて強力に抗原特異的CTLを誘導し著明な腫瘍縮小効果を認めることを明らかにした。誘導されたCTLはほぼ100%がPD-1を発現しており、ホメオスタティックな免疫抑制機序が働いていると考えられた。実際、抗PD-1抗体を併用投与することで、抗腫瘍効果に関する相乗効果が得られた。また、mXCL1-OT-Iによる抗腫瘍効果の分子基盤の解明に取り組んだ。XCR1+ DCを欠失する遺伝子改変マウスとして、XCR1の遺伝子座にジフテリア毒素受容体(DTR)と蛍光タンパクvenusの融合タンパクをコードする遺伝子をノックインしたマウス(XCR1-DTRvenusマウス)を使用した。以上の遺伝子改変マウス皮下腫瘍モデルにおけるmXCL1-OT-Iの腫瘍縮小効果がワイルドタイプと比べて完全にキャンセルされたことから、mXCL1-OT-Iの抗腫瘍効果はXCR1+DCに依存していることが明らかとなった。さらに、mXCL1-OT-IがXCR1+ DCへ選択的に送達されていることを、蛍光ラベルしたmXCL1-OT-I 投与後にmXCL1-OT-Iを取り込んだ細胞を免疫組織染色、FACSで同定することにより明らかにした。
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gan to kagaku ryouho
巻: 45(10) ページ: 1469-1471