研究課題/領域番号 |
16K10617
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研究機関 | 富山県工業技術センター |
研究代表者 |
大永 崇 富山県工業技術センター, その他部局等, 副主幹研究員 (10416133)
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研究分担者 |
嶋田 裕 京都大学, 薬学研究科, 客員教授 (30216072)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 血中循環腫瘍細胞 / 膵臓癌 |
研究実績の概要 |
本検討では、これまでに筆者らが開発したポリマーCTCチップ(マイクロ流体デバイスと抗体とを組み合わせた血中循環腫瘍細胞(CTC)を捕捉できるチップデバイス)を、膵臓癌の早期発見や治療に臨床応用できるよう、周辺技術を含めて検討している。検討の主な課題は(1)早期膵臓癌のCTCを捕捉できる抗体の探索(2)チップに捕捉した細胞の回収(3)捕捉CTCの遺伝子解析(4)チップや捕捉システムの実用性改良。(1)については候補抗体を選定し、入手を開始した。またその抗体を用いた捕捉試験のために必要な膵臓癌細胞株等を用意し、培養設備を立ち上げると共に運用を開始した。入手した抗体の一部(抗N-Cadherin抗体など)を使用し、早期膵臓癌のCTC捕捉のための予備試験を開始した。(2)および(3)については、天然高分子のゲルを使用し、捕捉細胞をその中に包埋してチップから回収する方法について検討した。天然高分子の種類や分子量を選ぶことにより、核酸に影響しない条件で回収する方法を見出し、細胞回収のプロトコルを確立した。さらに現在、遺伝子変異が既知の膵臓癌細胞株を使用し、チップからの細胞回収、遺伝子精製・単離、シーケンス解析等について外部機関と共同して検討を進めている。(4)については、検鏡や市販装置への適用のために、チップ基板の薄化を検討した。樹脂配合を見直して製造方法自体を改良することで、市販スライドガラスを使用した改良型のCTCチップを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞培養について設備の立ち上げや機関からの承認取得に時間が掛ったため、抗体選定のための細胞捕捉試験が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
抗体選定の試験を早期に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた抗体の購入が完了していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
継続して抗体の購入を進める。
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