研究課題
【背景・目的】末梢血liquid biopsyとして遊離癌細胞(CTC)がある。切除可能膵癌患者(PK)末梢血中の循環癌細胞をTelomeScan F35を応用しviabilityを加味したv-CTC検出に成功した。本研究ではPK患者でのv-CTCの臨床的意義、v-CTC上のPD-L1発現を解析した。【対象】PK 39例を解析した。Surgery first群(S群)、NACRT(N群)で解析した。【結果】[S群]男/女=12/12、計24例、全例根治切除できた。術前/後を通してv-CTC陰性症例は6例で、5例が無再発生存した。術前/後のいずれかまたは術前/後両測定点でv-CTC陽性例は18例で、13例は根治切除に関わらず早期再発した。術前v-CTC 陽性で術後v-CTC 陰性化またはv-CTCが減少した症例10例でも9例が再発した。[N群]男/女=4/11、計15例、全例根治切除できた。5例で3点を通してv-CTC陰性で全例無再発生存した。NACRT前よりv-CTC 陽性例6例では、5例がNACRT後にv-CTC数が有意に増加し、内3例で早期肝転移再発しv-CTC 血管内播種誘発が示唆された。[PD-L1発現] S群:18例(内3例CTC陰性)、N群:3例(内1例CTC陰性)で解析した。S群CTCの術前/後での発現率は術前で38 cells中37 cells(97%)が陽性、術後で16 cells中13 cells(81%)が陽性であった。N群CTCのNACRT前/後/術後での発現率は各々、4 cells中2 cells(50%)が陽性、28 cells中27 cells(96%)が陽性、2 cells中1 cell(50%)が陽性であった。【結語】v-CTC検出は有意な予後マーカーで、CTC上にはPD-L1が高率に発現し免疫チエックポイント阻害剤の有効性が期待できる。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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