研究課題/領域番号 |
16K10633
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
前田 吉宣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20438203)
|
研究分担者 |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40182422)
宮崎 隆子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90405291)
渡辺 太治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20448723)
山南 将志 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30438204)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 生体内組織形成 / バイオチューブ / 自家移植 |
研究実績の概要 |
本研究は小児先天性心疾患に対する外科治療において、肺動脈閉鎖症・主要体動脈肺動脈側副血行など肺動脈低形成を伴う疾患群に対して段階的手術を行う際に、生体内組織形成技術に基づき患者自身の体内で作成した膜状の自家組織(バイオチューブ)を血管壁素材として、狭小化した肺動脈の拡大形成術を試みるものである。バイオチューブは血管壁素材として自家移植を行った場合の安全性や成長可能性,耐圧性能が,動物実験においてすでに立証されている。本研究の最終的な目的は,同様の安全性や成長可能性がヒトにおいても成立することを確認することである。 本年度は対象患者の選定とシリコン基材の植え込みを中心に行い、3例の患者(いずれも肺動脈閉鎖症・主要体動脈肺動脈側副血行に対する肺動脈統合化手術及び姑息的右室流出路再建術時)に胸骨正中創内から腹部皮下、腹直筋直上に径6mm、長さ50mmのシリコン基材をそれぞれ2-4本植え込みした。これらの症例のうち、現在までのところ第二期手術もしくは根治術に至った症例はまだなくバイオチューブに採取は行っていないが、植え込み部位に感染や異物反応などを原因として予定外に摘出を要した症例はなく、シリコン基材やその埋設方法に問題はないと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画において5-10例の症例数を見込んでいたが対象患者の選定において本年度は3例に留まった。また第二期手術もしくは根治術に至った症例はまだなく、シリコン基材とバイオチューブを採取して肺動脈拡大形成へ適用あるいは病理学的検討を行うにはまだ至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
対象患者に対して引き続きシリコン基材の植え込みを継続すると共に、第二期手術に達した症例においてはバイオチューブグラフトを肺動脈拡大形成へ適用し移植を行う。また移植後の経過観察として,1-3ヶ月毎の超音波検査と,半年-1年毎のCT検査を行い,血管径の測定や形態の追跡を行うと共に狭窄や瘤状変化などの問題が生じないかを慎重に観察する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画において5-10例の症例数を見込んでいたが対象患者の選定において本年度は3例に留まりバイオチューブ作成のためのシリコン基材の植え込みが少なかった。また第二期手術もしくは根治術に至った症例はまだなく、シリコン基材とバイオチューブを採取して肺動脈拡大形成へ適用あるいは病理学的検討を行うに至らなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
対象患者に対して引き続きシリコン基材の植え込みを継続すると共に、第二期手術に達した症例においてはバイオチューブグラフトを肺動脈拡大形成へ適用し移植を行う。また摘出したバイオチューブグラフトの病理学的検討も合わせて行う。 移植後の経過観察として,1-3ヶ月毎の超音波検査と,半年-1年毎のCT検査を行い,血管径の測定や形態の追跡を行うと共に狭窄や瘤状変化などの問題が生じないかを慎重に観察する。
|