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2016 年度 実施状況報告書

細胞外基質と炎症の制御による新たなる大動脈瘤治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10654
研究機関山梨大学

研究代表者

中島 博之  山梨大学, 総合研究部, 教授 (50378634)

研究分担者 榊原 賢士  山梨大学, 総合研究部, 助教 (40419338)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード大動脈瘤
研究実績の概要

食生活の欧米化、超高齢社会に伴い、大動脈疾患患者は増加傾向にある。特に大動脈瘤患者は、動脈硬化が進行しており、虚血性心疾患、脳血管障害を伴ったhigh risk症例が多い。このような症例では、術後重篤な合併症を併発するおそれがあり、できるだけ負担が少ない治療法が望まれる。 代表者らは、このような症例に対して低侵襲で有効な治療法を模索した結果、動脈瘤に対する分子標的療法の開発を計画することとした。
最近、DNA Microarray法による動脈瘤の瘤壁と正常血管壁の遺伝子発現の検討が行われており、そのなかでJNK、MMP9などの関与が報告されている。 さらに、動脈瘤壁を病理学的に検討すると、動脈壁への炎症細胞の浸潤、エラスチン、コラーゲンなどのいわゆる細胞外基質が破錠し、 動脈硬化をもたらすAngiotensin IIやTGF-βの両者が動脈瘤壁内に高発現していることが認められる。さらに詳細にシグナリング経路を検討すると、Angiotensin IIは炎症に関連するMCP-1、IL-6をコントロールしていると報告されている。また、TGF-βのシグナリング伝達はsmad2とsmad4が複合体を形成し、この複合体が核内に移行し、ターゲット遺伝子であるMMP9などの転写を活性化することが知られている。さらにこのAngiotensin IIは、receptorであるAT1Rに結合し、その下流にTGF-βが存在することが示されている。このことをまとめるとAngiotensin II→AT1R→TGF-β→smad2→MMP9となることが予測される。この経路をARBで制御すると動脈瘤が抑制可能と報告されていることから、このsmad2の発現をコントロールすることにより炎症、細胞外基質の破錠を抑制し、瘤化を抑制できると推察される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当年度は、研究開始初年度のため環境の整備、研究を行うにあたって実験系の構築などに時間を要し、まだ安定したデーターが採取できていないためである。

今後の研究の推進方策

実験計画に従って昨年度までに終了しえなかった研究に関しては、今年度の並行して行える研究計画と並行して行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

環境整備など準備に時間を要したため、予定よりも研究が進行しなかったため、次年度使用金が生じた。

次年度使用額の使用計画

本年度は、初年度の予定分を含め並行して研究を進めていく予定であり、未使用額と平成29年度研究費は、研究に必要な試薬等の消耗品、学会出席のための旅費に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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