大動脈外科手術に伴う脊髄虚血障害を防止するため、経頭蓋運動誘発電位(TC-MEP)が用いられているが、特異性が低い。これを改善しうる方法として開発してきた経食道運動誘発電位(TE-MEP)を臨床応用可能とするため、食道双極刺激による胸髄刺激の実現可能性、有用性を動物実験において確認した。さらに臨床研究を実施し、刺激電極形状の工夫、刺激条件の変更により、安定したモニタリングが可能であり、TC-MEPより特異性に優れることを確認した。本研究成果は、2019年秋の欧州心臓胸部外科学会(リスボン)で発表し、EJCTS誌に発表した(doi:10.1093/ejcts/ezaa002)。
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