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2018 年度 実績報告書

ゼラチンシートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10664
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

谷口 繁樹  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90183467)

研究分担者 山下 慶悟  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00570970)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードゼラチン / 止血効果 / 癒着効果
研究実績の概要

【目的】本実験では、心臓血管外科領域におけるゼラチンシートの止血剤および癒着防止剤としての有用性について組織学的評価を含めて検討した。
【方法】全身麻酔下にビーグル犬 (10kg) の大腿動脈を露出し、全身ヘパリン化を行った。23G針で大腿動脈に針穴を作成し、同部位にゼラチンシート (A群、n=13) 、およびフィブリン製剤 (TachoSil、CSL) (B群、 n=13) にて5分間圧迫後、針穴からの出血を評価した。術後4週後、前回シートを貼付した大腿動脈を再度剥離し、その癒着強度、癒着面積をZuhlkeらの分類に従って評価した。摘出した大腿動脈とその周囲組織は10%ホルマリン液にて固定し、HE染色を行った。全周を観察し、外弾性板から1000μm以内の領域で炎症反応の強い各6視野を400倍で検鏡し、単位面積当たりの炎症細胞の数を比較した。両群間の統計学的検討にはMann-WhitneyのU検定を用いた。
【結果】両群ともに全例で止血を得た。癒着面積はA群1.5 ± 0.5, B群2.9 ± 0.6とB群において有意に広く (p<0.01) 、癒着強度はA群1.1 ± 0.3, B群3.1 ± 1.0とB群において有意に強かった (p<0.01) 。組織学的には、単位面積当たりの炎症細胞の数はA群130 ± 85 個, B群718 ± 283 個とB群において有意に多かった (p<0.05) 。
【結語】我々が開発したゼラチンシートはフィブリン製剤と比較して同等の止血効果を示し、有意に癒着防止効果があることを示し、組織学的にも炎症反応の抑制作用を示した。ゼラチンシートは止血剤および癒着防止剤として臨床応用しうると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ゼラチンシートの止血効果および癒着防止効果の組織学的評価を含めた検討2019

    • 著者名/発表者名
      丹羽恒介、山下慶悟、多林伸起、阿部毅寿、早田義宏、廣瀬友亮、平賀 俊、福場遼平、武村潤一、西川浩史、横山晋也、鹿庭善夫、田村大和、畠山金太、谷口繁樹
    • 学会等名
      第49回日本心臓血管外科学会学術総会

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公開日: 2019-12-27  

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