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2018 年度 実施状況報告書

胸部大動脈瘤の大動脈プラークに対するバイオマーカーとしてのシスタチンCの意義

研究課題

研究課題/領域番号 16K10665
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

西村 好晴  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70254539)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード大動脈プラーク / 胸部大動脈瘤 / シスタチンC / LDL
研究実績の概要

胸部大動脈瘤における大動脈プラークに対するバイオマーカーとその意義について検討した。弓部大動脈瘤手術症例30例の内、腹部大動脈を合併した症例を除く17例を対象とした。バイオマーカーマーカーとして術前採血からCystatin C、Cr、HDL、LDL、CRPを用いた。大動脈プラークの測定法はAquarius iNtuitionで解析を行った。解析項目は大動脈の任意の範囲のプラーク体積、CT値による大動脈プラークの成分の解析を行った。各バイオマーカーと大動脈プラークの量、プラーク成分の相関関係について検討した。全大動脈(30例)ではプラーク量とHDLに負の相関を認めた。腹部大動脈ではCr、Cystatin Cと正の相関、HDLと負の相関を認めた。下行大動脈のプラーク量とLDL、LDL/HDLに正の相関を認めた。弓部大動脈のプラーク量とLDL、LDL/HDL、CRPに正の相関関係を認めた。プラーク成分の解析に関しては下行大動脈のsoftプラークとLDL/HDLに正の相関、Intermediate プラークとCRPに正の相関を認めた。弓部大動脈のsoftプラークとLDL、LDL/HDLに正の相関を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

Cystatin Cが高値でかつCrが高くない症例においてCystatin Cが動脈硬化の指標となり得ることを目的としたが、弓部大動脈瘤症例30例ではそれに該当する症例が少ないため、Cr 、Cystatin C以外にLDL、HDL、CRPにバイオマーカーを広げて検討を行った。その結果、Cystatin C単独では弓部大動脈瘤のバイオマーカーとしての意義は当初の予想に反し、腹部大動脈のプラーク体積のみを反映する結果となった。Cystatin Cが高値でCKDではない症例の数をさらに増やす必要がある。
CTでの大動脈プラークの測定上の問題点としてCTのスライス幅の違いによる測定誤差が発生しうる。そのためスライス幅を一定にするように症例を選択する必要がある。

今後の研究の推進方策

弓部大動脈瘤症例の追加を行う。一方、症例のさらなる追加を行うために弓部大動脈瘤症例のみにこだわらず、腹部大動脈瘤を含めた大動脈瘤症例全体に対象範囲を広げ、その中で下行大動脈の大動脈プラークに関して検討するなどの検討が必要であると考える

次年度使用額が生じた理由

大動脈プラーク計測を当院に導入されているAquarius iNtuitionでで解析したため、新たなソフトを購入する必要が無かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 胸部大動脈瘤の大動脈プラーク対するバイオマーカーの検討2018

    • 著者名/発表者名
      田島幸司
    • 学会等名
      第59回日本脈管学会

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公開日: 2019-12-27  

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