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2018 年度 実績報告書

肺移植における気道上皮被覆液中の薬物濃度測定と免疫制御

研究課題

研究課題/領域番号 16K10692
研究機関東海大学

研究代表者

岩崎 正之  東海大学, 医学部, 教授 (90223388)

研究分担者 河野 光智  東海大学, 医学部, 准教授 (10276272)
増田 良太  東海大学, 医学部, 准教授 (10408057)
中川 知己  東海大学, 医学部, 准教授 (30439707)
大岩 加奈  東海大学, 医学部, 助教 (30548045)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード肺移植 / 気道上皮被覆液 / サイトカイン
研究実績の概要

気道上皮被覆液(ELF)からは呼吸器系の病態を把握する上で有用な情報が得られる。経気管支マイクロサンプリング法(BMS)は気管支鏡下に末梢気管支からELFを採取する方法であり、種々の肺損傷の病態解明に用いてきた。肺移植モデルでELFと血漿の経時的採取を行い、TNF-α、IL-1β IL-6 IFN-γ濃度をそれぞれ測定し比較した。【方法】ドナー肺を18時間の保存後に移植するイヌ肺移植モデルにおいて移植後1時間ごとに5時間まで、ELFと血漿の経時的に採取した。【結果】有害事象は認めず、ELF採取が出来た。ELF中のTNF-α濃度は移植群では再灌流開始後に上昇し、5時間後まで100pg/ml以上の値を維持してsham群と比較して有意差を認めた(p<0.05)。IL-1β濃度は群間で有意差を認めなかった。IL-6濃度は移植群で71.3 ± 116.2 pg/mlと sham群(19.6± 36.0pg/ml, p=0.16)と比較し高い傾向を認めたが、有意差はなかった。IFN-γ濃度は移植群で306±441pg/ml とsham群(1246±957pg/ml)と比較し、有意に低い値を示した(p<0.001)。血漿中サイトカイン濃度はシャム群との比較でも有意差を認めなかった。BAL液中のサイトカイン濃度はELF中濃度の100分の1以下であった。移植しない虚血後非再灌流肺において採取したELF中のIL-1βのみ虚血後に有意な低下を認めた。免疫組織学的検討では、移植肺において、TNF-α発現を血管内皮細胞と肺胞マクロファージに認め、IL-6発現を肺胞マクロファージとリンパ球に認めた。【結論】肺移植モデルにおけるBMSによるELFの経時的採取で、ELF中の炎症性サイトカイン濃度の経時的変化が観測された。移植肺に生じる様々な病態の解明、診断や治療法の確立に役立つ可能性がある。

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公開日: 2019-12-27  

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