研究課題/領域番号 |
16K10699
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
菱田 智之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40544664)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 呼吸器外科学 |
研究実績の概要 |
当院において切除された24症例の肉腫様成分を含む肺癌手術症例(多形癌21例、巨細胞癌3例)を対象とし、臨床データを収集した(臨床検討dataは2017日本肺癌学会で発表)。そして、DNA抽出のため、各症例のホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 切片を確認し肉腫様成分(sarcomatoid [S] 成分)、非肉腫様成分 (non-sarcomatoid [NS] 成分)、非腫瘍部(normal [N]成分)に分けてマーキングを行った。 DNA抽出は、当初の計画に従い、S成分、NS成分、N成分に分けてlaser micro dissecionにて行うこととした。Dissectionを容易に行うため、FFPEブロックをmembrane slide上に再度薄切し、Carl Zeiss PALM Micro Beam IVを用いてlaser micro dissectionを施行した。QIAGEN GeneRead DNA FFPE Kit を用いてdissection検体からDNAを抽出し、Qubit dsDNA HS AssayにてDNAの定量を行った。しかしながら、laser micro dissectionは、時間を多く要したにも関わらずDNAの回収効率が非常に悪く数検体で探索的に行った結果は、NS成分、N成分からはシークエンスを行うに足る十分なDNA量を抽出することができないことが判明した。 そのため、laser micro dissectionによるS, NS, N成分別のDNA抽出を断念することとし、肉腫様成分の悪性度を規定する成分であるS成分のみからのDNA抽出をmacro dissectionによって行う方針とした。全24症例のS成分からmacro dissectionによってDNAの抽出し、シークエンス解析を行うに十分なDNA量が得られたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FFPE切片からのDNA抽出の条件設定に時間を要したため。 当初は、laser micro dissectionを用い肉腫様成分 (sarcomatous component)と、非小細胞肺癌成分(NSCLC component)に分けて抽出予定であったが、NSCLC componentの細胞量が少ない症例が多く、十分量のDNAを抽出することが出来なかった。Laser micro dissectionによるsarcomatous, NSCLC componentsに分けたDNA抽出を断念し、sacromatous componentのみをmacro dissectionによって行う方針に変更した。この変更により、当初の目的であった、sacromatous, NSCLC componentsの遺伝子プロファイルの比較は行えないこととなったが、対象24例の十分量のDNA抽出を行うことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は検体より抽出したDNA溶液をもとに次世代シーケンサーIon torrent systemでゲノム解析を行う。非小細胞肺癌成分においてはcell lineやNBDCデータベースを用いて比較検討を行い、検体からも再度dissectionを行いPCRで比較することを検討する。 解析から得られた遺伝子検査と臨床情報を併せて他肺癌との比較分析や臨床における有用性の検討を行う。今回得られたDNA量からはEpigenom解析も可能であり、併行して行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
DNA抽出の設定に時間を要し、予定していた次世代シークエンスのための支出が次年度となったため。
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