研究課題
当院において1996年から2011年までに切除された肉腫様成分を含む肺癌手術例24例のうちデータ不備1例を除いた23例(多形癌20例、巨細胞癌3例)を対象とし、臨床像と予後の検討を行った(第58回日本肺癌学会総会)。観察期間の中央値は122ヶ月で、5年無再発生存割合は56%。再発は8例認めたが、7例は術後1年以内の再発で、再発後生存期間中央値は3ヶ月であった。一方、5年無再発生存を6例 (26%) に認め、過去の報告同様、術後早期再発を来たし再発後予後も不良な集団がある一方で、長期無再発生存例が存在することが示唆された。次いで、各症例のホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 切片より、肉腫様(sarcomatoid [S])成分、非肉腫様 (non-sarcomatoid [NS]) 成分、非腫瘍 (normal [N]) 部に分けlaser micro dissectionによりDN A抽出を行った。しかしながら、laser micro dissectionは、DNA回収効率が非常に悪く、特にNS成分から十分量のDNAを抽出が困難であった。そのため、悪性度を規定するS成分のみ、macro dissection によってDNA抽出を行った。しかし、抽出後のquality checkにて、DNAの断片化が著しく、シークエンスが困難であることが判明した。2010年までの症例が、20%ホルマリンで固定されていたことが要因と考えられた。そこで、10%ホルマリンでの固定に変更された2011年以降の症例から13例を抽出し直し、解析することとした。これら13例から各成分のDNAをmicro dissectionにより抽出し、現在、NS、N成分をコントロールとしたS成分の遺伝子異常のならびにメチル化アレイを用いたDNAメチル化異常のprofilingを行っている。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件)
Cancers (Basel)
巻: 10 ページ: -
10.3390/cancers10120478.
Oncotarget
巻: 9 ページ: 10635-10649
10.18632/oncotarget.24365.
Jpn J Clin Oncol.
巻: 48 ページ: 190-194
10.1093/jjco/hyx170.
Eur J Cardiothorac Surg.
巻: Nov 23 ページ: -
10.1093/ejcts/ezy384.