本研究では、放射性薬剤BMIPP経口投与による3次元胸管シンチグラフィーの検査法の改善、健常者を対象とした基礎的検討を行った。全例で胸管が明瞭に描出され、有害事象は認めなかった。胸管描出は遅くとも薬剤投与後100分以前に撮影を開始する必要性が明らかとなった。BMIPP静脈投与での実効線量2.8mSv/111MBqと比較して、胸管シンチに伴う実効線量は4.7mSvとやや高く計測された。甲状腺や腸管の被曝線量が比較的高かったことから検査前のヨードブロックや検査後下剤を使用することで、被曝低減が可能と考えられた。3次元胸管シンチグラフィーの安全性と被曝線量を確認し、被曝低減の可能性が明らかとなった。
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